「前」 蕨市議会議員 おおしま公一活動報告

2015年5月31日。まさかの落選を果たした?「前」蕨市議会議員おおしま公一の修行の日々をお伝えしていきます。

第73回全国都市問題会議

2011-10-07 18:30:00 | Weblog
6日(木)、7日(金)と鹿児島市におきまして、全国都市問題会議が開催されました。全国市長会をはじめとする3団体と開催市が主催者となり、毎年この時期に開催をされる全国研修会であります。市長会の会ではありますが、各自治体の議員も多く参加をする企画であります。蕨市議会からも、先の9月定例会で議員派遣の議決をいただいた5名の議員と議会事務局員1名で参加させていただきました。

今年は南九州最大の都市と言われる鹿児島県鹿児島市での開催となりました。本年3月12日に全線開通となった九州新幹線の効果もあり、今後の発展が期待される中核市であります。だからという訳ではないでしょうが、今年のテーマは「都市の魅力と交通戦略 地域資源×公共交通=地域活性化」というものでした。

初日の6日は講演と報告が行われました。

開会式後の特別講演では、大西隆氏(東京大学大学院教授。日本学術会議会長)より「3・11からの復興とまちづくり」と題してお話があり、自身も復興構想会議の委員を務めた経験から、これまでの施設整備に主眼を置いた「防災」という観点からの街づくりと併せて、災害発生を前提とした「減災」という視点から街区の構造を一からとらえ直す発想が必要との提言がなされました。加えて「減災がいつの間にか防災という発想にすり替わってしまい、防波堤・防潮堤を設けておいたから100%大丈夫!という考えになりがち」といった警鐘も鳴らされました。

続き基調講演では、唐池恒二氏(JR九州代表取締役社長)からは、「九州新幹線とまちづくり」と題したお話があり、鹿児島まで全線開通をした九州新幹線を「1次交通ネットワーク」と捉え、そこから発生する効用を、既存の在来線という2次交通ネットワークで如何に九州全域に拡大していくか?という提起がなされました。その他新博多駅駅ビル開発、九州新幹線全線開通のCM(九州地区限定)を例に、ユーモアあふれる講演が展開されました。その面白さは、以降の報告者から思わず「唐池さんの後は話ずらい・・・」といったフレーズが口をついて出るほどでした。それにしても九州新幹線全線開通のCMは思わずグッ!とくるものがありました。

昼食休憩をはさんで午後は、報告が3件ありました。

最初に主報告として、森博幸氏(鹿児島市長)から「新幹線の開業効果をまちの力に-地域特性を生かした魅力づくりと情報発信-」と題した報告がなされました。午前中の唐池氏同様、2次交通ネットワークの拡充を如何に効果的に展開していくかという視点からのお話でしたが、九州を東アジアの一地域と位置づける発想から、「ソウル-釜山-福岡-熊本-鹿児島」を各々の交通網の整備(高速鉄道、フェリー、新幹線)から一大観光ルートとなりうるという構想は斬新なものでありました。

続いて、佐藤真一氏((株)リクルートじゃらんリサーチセンター客員研究員)から「地域資源の観光資源化を成功に導く価値創造アプローチ」と題した話題提供がなされました。大手広告会社に勤務し、現在では(社)日田市観光協会で事務局長を務める経験から、これまでの「我が町の観光資源はこれだ!」という発信型の観光事業から、「旅行者が求めている価値は何か?」という発送で取り組む「着地型観光」という着眼点が必要との提案がありました。リクルートから公的な団体への転身・・・。地方行政の人事も「回転ドア化」していくのでしょうか?

初日の最後は、母袋創一氏(長野県上田市長、全国市長会副会長)より「上田市の魅力づくりと地域活性化」と題した事例報告がなされました。昨今のちょっとした歴史ブームから、ご当地の英雄真田幸村を地域ブランドとして利活用していこうという発想は理解をしやすいものでしたが、映画ロケを多く受け入れた「ロケの街」という発信の仕方は、初めて知るところでありました。

2日目は、パネルディスカッションが行われ、初日の講演・報告を受けての議論がなされました。

閉会式では次期開催市の盛岡市を代表し、谷藤裕明市長から開催に向けて意気込み、全国からの参加を期待する旨の挨拶がなされました。

公共交通と地域活性化という視点は斬新なものであり、行政や議会向けの研修会が行財政改革や議会改革というテーマが多かったここ数年来の状況をかんがみると大変興味深い研修内容でありました。

主催者の皆様お疲れ様でした。


<写真:開会式で主催挨拶をする母袋創一氏(長野県上田市長、全国市長会副会長)>