ウォーキングコースの道路脇と空き地の斜面に「トクサ(木賊)」がきれいに並んでいた。
竹のような節があり、真っすぐに伸びた茎、柔らかな優しい緑が和風の庭園に似合いそうだと思いながらカメラに収めた。
この草は「木賊」のほかにもう一つ「砥草」とも書く。
その由来は・・・
茎を触ってみるとザラザラしている、これは茎の表面に珪素が含まれる突起がたくさんあるからで、古くからこのザラザラを利用して木材や金属の研磨剤として使われていたから。
磨かれた木にしてみれば、痛めつけられたのだからこの草は賊ということになる。
だから「木賊」となり、もう一つの「砥草」はそのまま「砥ぐ草」→「砥草(とくさ)」になったらしい。
別の説に、この草は乾燥させると木賊(もくぞく)という漢方薬になるからというのもある。
「トクサ」は研磨剤や漢方薬として利用されている、結構有用な植物のようだ。
学名: Equisetum hyemale
英名 :Scouring rush, Horsetail
別名: ハミガキグサ、ヤスリグサ、ミガキグサ
科名・属名:トクサ科 トクサ属
原産地:日本を含む 北半球温帯地方
温泉の話
大好きな会津地方、その中の南会津町に「木賊温泉」がある。
名前はそのまま「とくさおんせん」と読む。
ここは平安時代に発見された歴史ある温泉で、宿が数軒あるだけの小さな集落。
その昔、あたり一帯に「トクサ」が群生していたから「木賊温泉」と名付けられたとされている。
辺鄙な場所にあるので、車でしか行けない温泉なのにマニアにはとても人気がある。
それは、川沿いの露天風呂のおかげ。
この露天風呂、目の前には川が流れ、解放感いっぱいの野趣あふれるダイナミックな岩風呂で、それに加えて温泉は湯船の底から湧き出している、足元湧出泉。
これだけ良いこと尽くめの温泉なのだから人気があるのは当たり前なのかもしれない。