少し前のことになりますが、今まで見たことのない花を見つけました。
場所は奈良・室生寺です。
急な階段を息を切らしながら登っている時、階段の両脇落ちていた枯れた杉の葉の上に桜の花に似たピンクの小さな花がちらほらと落ちていたのです。
てっきり桜の花だと思って周りを見回したのですが、桜の木は見当たりません。
花を拾おうとしたら何と、茎と葉がついていたのです。
それも、クローバーのような3枚の葉でした。
「ミヤマカタバミ(深山傍食)」のようです。
調べてみましたら、同じような花で、『ミヤマカタバミ』と『コミヤマカタバミ』がありました。
どちらなのかと思い、違いを調べてみました。
ミヤマカタバミ
高さ6~10㎝、葉柄、葉の裏面、花柄、萼片、苞には多くの毛がある。
小葉はハート形、先端はへこむ
花期は3~5月。
花は2~3㎝、コミヤマカタバミよりも一回り大きく、花弁の先は少しへこむ。
花弁には淡紫色の線が入る。
本州(東海地方南部〜中国地方)、四国の山地の針葉樹林内に群生する。
コミヤマカタバミ
全体にミヤマカタバミよりも一回り小さいので、花も直径2~3㎝。
花は普通白色で花弁の基部に黄色の斑が入る。
葉はハート型で、切れ込みは浅く丸みがある。
花期は6月~8月。
生育場所は深山~亜高山の針葉樹林内。
こうして2つを比べてみると、花期が3月~5月、花弁には淡紫色の線があって中央には黄色い斑がなく、葉が尖り気味。
そっくりそのままミヤマカタバミに当てはまります。
だから、ミヤマカタバミと決定しました。
学名:Oxalis griffithii
英名:Wood sorrel
別名:ヤマカタバミ、エイザンカタバミ
科名・属名:カタバミ科 カタバミ属
原産地:日本、中国、ヒマラヤ地方
ちなみに比較用に「写真AC」のサイトからの『コミヤマカタバミ』です。
花の基部の黄色い部分が目立ちます。