旧外国大使別荘跡という案内文に誘われ、日光中禅寺湖にある「湖上苑」に行ってみた。
いろは坂を上り、中禅寺湖入り口の大鳥居をくぐって行ったのだが、宿の案内看板は見えても駐車場が分かりにくかった。
それでも歩道を突っ切って湖のほとりに下って行く道が見つかり、そこを下って行った。
中禅寺湖畔にあるホテルはほとんどが道路の山側に面した場所にあるが、「湖上苑」は観光船桟橋の隣にあり、湖ギリギリの場所に建っていた。
駐車場に着くとすぐにスタッフが出てきて、案内してくれた。
宿はこじんまりとした古い木造の民宿を少し大きくしたような感じで、まさかここが外国大使別荘だったとは思えないような造りだった。
旧別荘跡、湖上苑と言う名前から、きっとおしゃれな造りの洋館だと勝手に思い込んでいたので、ちょっと拍子抜け。
そして、フロントなどというしゃれたものはなく、民家のような入り口を入ったところが受付になっていて、案内してくれたスタッフがそのままチェックイン係になった。
建物は部分的に改装してあり、部屋までの廊下や階段にはあちこちに益子焼の大小の陶器が置いてあった。
陶器好きな人は感動するんだろうな~、などと思いながら部屋に入った。
その瞬間、窓の外には中禅寺湖が広がり、まるで湖の上に浮かんでいるような感じだった。
この景色を見たいがためにリピーターが多く、なかなか予約が取れない宿なんだとか。
景色だけではなく、中禅寺湖畔には珍しい硫黄泉、そして料理もその人気の後押しをしているらしい。
部屋から見た中禅寺湖。
しばらくするとあっという間に霧が出てきて対岸は全く見えなくなった。
そして、早速温泉へ
お風呂は3ヶ所あり、すべてが中禅寺湖に面していた。
2つは男女別で、それぞれに内湯と半露天風呂があり、もう一つは貸切風呂で内湯のみ。
すべてのお風呂が3~4人入ればいっぱいになってしまうほどの小さなお風呂だったが、24時間好きな時に入ることができた。
温泉は奥日光から引いている硫黄泉ということだったが、ここまで引いてくるのは大変だと思う。
硫黄の臭いのする熱めの濃い温泉で、白い湯ノ花がたくさん浮いていた。
湖畔がすぐ目の前の半露天風呂の方は温度もちょうど良く、長湯するには最高だった。
天気などによって温泉の色も変わるらしいが、この時はきれいなグリーンだった。
[内湯と半露天風呂]
[半露天風呂]
食事のこと
やっぱり宿を選ぶにあたって食事は大事な要素になっている。
この宿は料理も評判が良かった。
湯葉を中心とした前菜の盛り合わせ、その後の「オレンジソース仕立ての鱒の唐揚げ」や「国産牛のステーキ」など、頃合いを見計らい、丁寧な説明と共に出してくれた。
すべて手作りで手の込んだものだった。
そして、器はできる限り益子焼を使っていると言っていた。
この日に見かけたスタッフ全員が女性だったので、もしかすると女性の料理人が作っているのかもしれない。
[メインデッシュのステーキ]
以上、「湖上苑」に泊った感想を書いてみた。
建物の古さを気にしなければ温泉、料理とも十分に満足でき、全体的な雰囲気は「大人の宿」といった静かな宿だと思った。
今回は栃木県民割という地域限定のクーポンを使わせていただき、お得に宿泊することができた。
でも、以前の Go Toトラベルの時とは勝手が違って、予約するのも分かりにくかった。
旅行サイトに寄っては扱っていたり、いなかったりで、宿直接予約してもその後何らかの手続きが必要になっているようだ。
また、チェックイン後に宿でいただいたチケットも利用する範囲が限られていた。
それと、チェックイン時にコロナワクチン接種証明書も必要だった。
これはどこの県も同じらしいが、もっと分かりやすくしないと、利用者も限定されてしまうんじゃないかな~、などと思った。