古遠部温泉(ふるとおべおんせん)は、以前読んだ温泉マニアの人のブログで、ここは温泉マニアの間で絶賛されている温泉、ということが書いてあった。
それを読んでからずっと憧れていた温泉。
予約は電話のみ、予約サイトにはなく、直接電話してみたらちょうど部屋が空いていた。
青森県碇ヶ関の山の中にある、湯量豊富な一軒宿の温泉。
雪の中を碇ヶ関駅まで社長さん自らお迎えに来てくださった。
宿に着いたら普通の民家のような建物だった。
雪が積もっていたため、他には何も見えなかったので、そのように見えたのかもしれない。
中も古い建物で、部屋はすべて和室。
全体が湯治場のような雰囲気になっていた。
部屋の中は一般的な宿と同じで、お茶セットや冷蔵庫、テレビなどはあったが、山の中のためか電波の具合はあまり良くなかった。
でも、温泉が目的なので、そんなことはどうでも良かった。
びっくりしたのが窓から見た裏庭。
温泉が流れて雪を解かし、その部分が温泉の成分で茶色くなっていた。
鉄分を多く含んだ温泉だったので。
お風呂は男女別の小さ目の内湯だけ。
温泉に含まれている鉄分のために、浴室全体は茶色くなっていた。
お湯は湯船にドバドバ流れ込み、こぼれ出たお湯が洗い場にも溢れていた。
毎分800リットルもの湧出量があるらしい。
そこに黄色い”ケロリン”の桶を立てて、頭を突っ込んで寝そべっている人がいた。
これが名物の「トド寝」だと分かった。(館内は撮影禁止のため、イメージしてもらうしかない)
見よう見まねでやってみたら、体全体が暖まり、すごく気持ちよくて眠くなりそうだった。
日帰り客も受け入れているので、トド寝できるのは夜の入浴時のみ、宿泊者特権ということだった。
給湯口にはコップが置いてあり、飲泉も可能なの飲んでみたらしっかりと鉄の味だった。
夕食は広間で宿泊者全員が一緒で時間厳守。
姫竹、天ぷら、焼き魚など手作り料理でボリュームたっぷりだった。
やはり噂どおりのとても良い温泉なので、遠くて不便だけれども、来る価値のある温泉だと思った。