白布温泉にある西屋に行った時は大雪の日だった。
この日の宿泊者は自分たち2人だけだった。
それなのにご主人が米沢駅まで30分以上もかけて迎えにきてくださり、申し訳ないような気がした。
宿に着くまでの間、車の中では温泉についていろいろなことを教えてもらったりもした。
東北には古くから3ヶ所の高湯と呼ばれる温泉があり、福島の信夫高湯、山形の最上高揚(蔵王温泉)、もう一つがこの白布高湯となっていて、これらの3つのお湯に入れば100年長生きできると言われていたらしい。
車はどんどん山の中に入っていき、白布温泉に着いた時は周り一面白い雪の世界だった。
どうにか宿の入り口だけは雪かきがされているといった状態で、あとはすべて雪の中に埋まっているようだった。
100年以上も経っているという茅葺き屋根の建物は風情たっぷりだった。
一歩中に入ると、灯りがうまく取り入れてあるためか、暖かい雰囲気の玄関とフロントになっていた。
全体にはきれいに掃除されていて、古さを感じさせないようになっていたが、足音や物音が気になるのはしょうがないかも。
[館内]
[部屋の窓にぶら下がっていたつらら]
お風呂はシャワーもカランも洗い場もない、湯船だけのお風呂と名物の滝湯。
滝湯は3本の滝が大量に降ってくるような、打たせ湯になっていて、滝行をしているような感じになり、爆音と言う言葉がぴったりするような大きな音がして、豪快そのものだった。
また、子供などが滝湯の音を気にするかもしれないと、別に家族風呂も用意してあった。
[滝湯]
お風呂の入り口の渡り廊下の足下にもどんどんお湯が流れているほど湯量が豊富のようだった。
今回の食事は「米沢牛すき焼きプラン」を選んだ。
米沢牛のすき焼きが美味しくて、それだけで満足だったのに他にもたくさん手作りの料理、郷土料理が並んでいた。
朝食時の”ぜんざい”には少しびっくり、でも「粟餅」が使われているとのこと。
これも郷土料理なのかな?
10年くらい前、白布温泉で火災があり、2軒の宿が焼けてしまったとニュースがあり、驚いたことがあった。
その時に、「西屋」は残っていると聞いて嬉しかった。
このような山深く、雪深い場所で歴史ある宿を維持するのは大変なことだと思うが、これほどすばらしい温泉は滅多にないので、ずっと守っていって欲しいと思っている。