映画とライフデザイン

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映画「ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ」 コリン・ファース&ジュード・ロウ

2016-11-16 17:36:18 | 映画(洋画:2016年以降主演男性)
映画「ベストセラー 編集者パーキンスに捧ぐ」を映画館で見てきました。


コリン・ファース&ジュード・ロウが出版社の編集者と新進作家を演じる新作。2人のほかにニコールキッドマンとローラ・リニーが出演する超豪華キャストである。でも日本では割と地味に公開されている。

原題は「GENIUS」それ自体はトマスウルフのことであろう。残念ながらトマス・ウルフという作家の名前は知らず、予備知識が少ないままに映画館に向かったが、編集者パーキンズはフィッツジェラルドやヘミングウェイの編集も担当しているので、彼らの出演場面もある。アメリカ文学に詳しい人ならもっと楽しめたかもしれない。

1929年、ニューヨークの老舗出版社のやり手編集者パーキンズ(コリン・ファース)の元に無名の作家トマス・ウルフ(ジュードロウ)の原稿が持ち込まれる。彼の才能を見抜いたパーキンズは、推敲して一部を削除することを条件に処女作「天使よ故郷を見よ」を出版することをトマスに告げる。トマスはパトロンで愛人のバーンスタイン(ニコールキッドマン)とともに大喜び。パーキンズとともに念入りに推敲を重ねた結果、本作品はベストセラーとなった。


その後もトマスは新たな大作に取りかかる。膨大な原稿用紙につづられたトマスの著作をパーキンズが編集にかかる。娘ばかりの子だくさんで美しい愛妻(ローラリニー)に恵まれているにも関わらず、二人は編集に没頭する。パーキンズは家庭を犠牲にし、ウルフの愛人バーンスタインはふたりの関係に嫉妬する。やがて第二作は完成し、評価の結果を恐れてロンドンにいたトマスは著名紙の書評がいいことを知りロンドンから戻ってくる。作品は大ヒットとなるが、徐々にトマスの精神がおかしくなってくるのであるが。。。

1.すぐれた時代考証と美術
まず1929年の時代考証がしっかりとされていて、美術がお見事である。いわゆる大恐慌に突入する年であり、しばらくの間不況が続く。失業者が食料の無料配給に並ぶ映像も出てくるが、パーキンズの自宅については優雅な感じである。


見ていていいなあと思ったのは黒人が多いジャズクラブで軽快なジャズを聴きながらジュードロウがご機嫌になり店にいた黒人とキスをするシーンと、ニューヨークに戻ったトマスが2人でトマスの元住んでいたアパートに行き、その屋上からマンハッタンの摩天楼の高層ビルを見るシーンだ。

2.コリン・ファース&ジュード・ロウ
コリンファースはいかにも冷静な編集者を演じている。部屋の中でも帽子をかぶり続けているのが特徴だけど、ここまでやるかといった感じだ。確かにこの時代は帽子をかぶっている人が多かったとは思うが、極端なんだろう。ジュードロウがジャズバーではしゃぐときには冷静に一人で帰ってしまう。抑揚のないトーンでこの役をこなす。


ジュードロウ演じるトマスはコリンファースと正反対で感情の起伏の激しい男だ。子供もいるニコールキッドマン演じるバーンスタインは彼から離れられない。

何度も癇癪を起こすが、敏腕編集者が横にいなければトマスはまともな仕事ができないという世間の酷評に次第に距離をもつようになる。スコットフィッツジェラルドの前でパーキンズの悪口を言いながら悪態をつくシーンは、自分も見ていて気分が悪くなる。いかにも恩知らずと。。。しかし、そこでは終わらなかった。最後に向けてはホッとしてしまう。



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