映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

スリ(文雀) ジョニー・トー

2010-02-23 05:39:39 | 映画(アジア)


思わず2回観てしまった。久しぶりだ。感動したわけではない。もう一度この独特の世界に浸ってみたいとおもったのだ。もっと詳細を追いかけてみたいと思った。
日本未公開香港映画である。香港ノワールの巨匠ジョニー・トー監督はちょっと違ったタッチで香港人を描いた。画像が美しく、香港のセントラル(中環)を中心に素敵な光景を映し出している。香港好きの自分にはたまらない映像だ。おしゃべりな中国人なのにセリフを極力おさえて、セリフの思いを映像で表現する。

香港のスリ仲間の4人がいる。観光客や金満家をねらって4人がコンビを組み、お金をさらっていく。そんな4人組の前に現れたのが、大陸から来た謎の女である。百戦錬磨の彼たちにそれぞれ出会い幻惑させる。



いきなりトラム電車が出てくるので香港島側の光景とすぐわかる。コロニアル調の建物なのでセントラル(中環)付近だ。中国銀行や香港上海銀行のような主要な建物やヒルサイドエレベーターを映像に映すわけではない。セントラルの坂の上を中心に地味に丹念に映し出す。通常香港ノワール映画は比較的九龍側で撮影されることが多い。今回は香港島側で中国文化と欧米文化の融合の姿を追う。伝統的な光景でもあるが、現代の香港の映像だ。

映像の鮮明度がちがう。香港映画は割と解像度の悪い画像が今までは多い気がした。美しい女主人公だけでなく、香港の古くからの光景を鮮明に映し出す。妙にすっきりとしている。音楽がやけにハイセンスだ。古典的な中国の匂いもだしながら、香港特有のコロニアル文化の匂いを音楽でかもし出す。どうやら監督は大きく変わっていく香港の中で今をきっちり撮っておこうと思ったようだ。

もともと貧富の差が激しい香港にはスリが大勢いたといわれる。でも経済の発展に伴い、大きく減ったようだ。 15年前スターフェリーのハーバーで妻が数人のスリに狙われたことがある。側に自分がいて彼らをガードして助かった。そんな印象が強くたまたまこのdvd手に取った。
謎の女を囲うボスがいる。風貌は大会社の社長風だ。正式には彼のプロフィールは出てこない。ただ香港の中心セントラルのビルの一角にオフィスを持ち、黒社会風の男たちを操る。このボスの存在も映画のキーポイントだ。彼も裏稼業の経験があるようだ。それで金をしこたま手に入れのし上がっていったように想像できる。このボスは香港にはいかにもいそうだ。こういう人物を入れることで、映画の奥行きを広げる。

観て本当によかった。出来ればこのdvd買って何度も観たいと思う。

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