映画とライフデザイン

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オリンダのリストランテ

2012-04-23 05:19:19 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
映画「オリンダのリストランテ」はアルゼンチンのブエノスアイレスを舞台にしたヒューマンドラマだ。
ブエノスアイレスでリストランテを営むオリンダのところへ、恋人を探しに来たドイツ人の青年が紛れ込み起きる出来事を描いた。やさしい目線で日本の人情物のようなタッチで流れるひと時はほのぼのしている。


主人公オリンダはブエノスアイレスでリストランテを経営している。イタリアからの移民である彼女がつくる料理はイタリアの田舎料理だ。若いウェイターを使っているが、何かというと口ケンカばかりしている。自分の味付けに妙に自信をもっているが、アルゼンチン人の口に合わないこともある。調味料を要求する客にくってかかることもある。常連が多く気楽に店をやっていた。そんな彼女も先のことを考えて店を売るべきかどうか考えていた。

そんなリストランテで、いつものようにウェイターに文句をつけて皿を投げつけたら、店に入ろうとした青年にあたってしまった。ぶっ倒れてしまった。青年ペーターはドイツから恋人を探しにきていたところだった。スペイン語は片言だけしか話せない。介抱を受けたあと、賄いをごちそうしてもらってホテルに戻った。ところが、気がつくと持っていたお金を何者かに持ち去られていた。
誰も身寄りのいないドイツ人青年はリストランテに助けを求める。しかし、彼女はここは泊るところではないと拒否する。ドイツ人は肩を落としながら、店の外へ行き、そこで座り込む。主人公オリンダは気になったが、雨が降ってきてしぶしぶ彼を店に泊めることにする。
翌日からドイツ人青年は恋人を探しにまわり始めるが、すぐには見つからない。主人公オリンダ、店のウェイターや常連の男女との関わりがはじまるようになるが。。。。


リストランテというが、料理映画を期待する人には期待外れであろう。そもそもはイタリアからの移民であり、現地人ではない。つくる料理もイタリア田舎料理だ。場面は少ないが食欲はそそられる。主人公は中年の太っちょ女で魅力をぷんぷんさせるわけではない。むしろ「肝っ玉母さん」といった風貌だ。
下町人情あふれた昭和の日本映画とむしろ通じるような気がする。


オリンダはもともと恋人を探してイタリアからブエノスアイレスに来た設定だ。店によく来る女性もメキシコ生まれでベネズエラ経由で流れていた女だったりして、移民を主題にしている印象もある。これらの移民を取り巻く世界は現代の欧州への移民ほど深刻な匂いはない。そんな彼女もある出来事をきっかけに故郷イタリアへの望郷の念を起こす。そんな故郷への気持ちをあらわにする場面は見ていていい感じになる。そもそも南米の人たちって大航海時代に欧州から流れてきたわけだからね。

ドイツ人が移住してくる映画としては「バグダッドカフェ」という名作がある。あの映画では太っちょのきれい好きなドイツ人女性が突如アメリカの郊外のカフェに来た話だった。ここでは対照的なスマートなドイツ人。典型的なドイツ人らしいかしこそうな風貌だ。このドイツ人の振る舞いも謙虚でわるくない。まったく違う設定ながら映画「バグダッドカフェ」に通じる人情のようなものが感じられた。

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