映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

草原の輝き  ナタリー・ウッド

2010-08-01 20:39:40 | 映画(洋画 69年以前)
「エデンの東」「波止場」のエリアカザン監督の61年の作品である。「俺たちに明日はない」のウォーレン・ベイティと「ウエストサイドストーリー」のナタリーウッドが主演する青春モノである。恋の行き着くところがどこまでなのかを模索している高校生の微妙な心理を描く。1920年代の設定なので、アメリカの若い高校生も行き着くところまで行き着けないもどかしさを感じている。大恐慌前の能天気な20年代の時代背景も読み取れるのもよい。



1920年代のある地方都市、高校に通うウォーレン・ベイティとナタリー・ウッドは恋人同士である。オープンカーを乗り回してのデートで、キスを交わす仲であるが、それ以上は進めない。貞操観念をどこまで持つべきなのかで悩んでいる。事業を営む父の希望でエール大学へ行こうとするが、成績はふるわない。そんな彼に別の女の子が積極的に近づいていき、ウォーレン・ベイティがつまみ食いをしてしまうが。。。。

村上春樹は「この映画を想うと哀しい気持ちになる。」と述べている。
確かに純愛を基調とする彼の作品に相通じる部分がある。同時に普通に付き合っている二人に別の女性が割り込んで、もとの女性が激しいショックを受けるという設定も彼の小説にはよくみられる。ということは、同じようなことが彼の体験にあるのであろう。

この映画の中で、親たちが株の急上昇であぶく銭が入って大喜びするシーンが出てくる。1920年代のアメリカはそういう時代だったのであろう。ある意味日本のバブル時の熱狂に相通じる部分もある気がする。エリアカザン監督は「エデンの東」では商品取引にスポットをあてた。彼が共産主義者からの転向組であるのは有名な話だ。金にかかわる話には映画監督の割には敏感なのかもしれない。

それにしても1920年代といえば、日本では大正末期から昭和一桁だ。今の高校生とそん色ない服を着て、スクールパーティを実際にやっていたと思うと、驚かされる。ナタリーウッドがパーティによく映える。この映画の前に史上最高の西部劇といわれるジョンウェイン「捜索者」では、インディアンに同化するかわいい少女を演じていた。このあとに「ウェストサイドストーリー」で主役を張る。その人の美しさの絶頂期を観るのは気分がいい。この作品では風呂場での派手なオーバーアクションが印象的だ。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 透光の樹 秋吉久美子 | トップ | おとうと  吉永小百合 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

映画(洋画 69年以前)」カテゴリの最新記事