映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

殺人の追憶

2008-08-17 22:53:35 | 映画(自分好みベスト100)
休みなのでいろいろと映画見ている。
オリンピックの影響か、レンタルショップでもアジア系の作品に目が止まる。
「インビジブルウェーブ」「夜の上海」なんて日本系の作品2つ見た。
両方とも現代中国の偶像が出てくるようなので見たが、期待はずれでコメントを記すほどにも及ばなかった。ともにこれといった盛り上がりの場面がなく、淡々と流れる。今ひとつであった。

それに対して、夏休み中見た中で本当にすばらしいのが韓国映画「殺人の記憶」である。
恥ずかしい話だが、最近の日本映画で脚本、演出、総合的にこのレベルに達しているサスペンスは見当たらない。韓国映画のレベルの高さを感じる。

今から20年前韓国の田舎町で次々に起きる女性を襲った殺人事件、それを担当するソンガンホ刑事とソウルから派遣された若い刑事が犯人を追う姿を描く。何人か犯人被疑者が出てくるが、話のつじつまが合わない。その事件はいつも雨の日におきる。その日に決まってラジオに同じ曲をリクエストする人間がいることを突き止める。
大雨の日ラジオにリクエストされたのを確認した両刑事は夜の大捜査線を張ろうとするがまた事件は起きてしまう。。。。

途中被疑者が出て来る場面もいかにも真犯人が出てきたかのような動きをする。演出がうまい。音楽も盛り上げる。ジョーズが出てくるまでものすごく時間をかけたように、一番もっともらしい犯人を1時間半なかなか出さない。最後まで決着をわからさせない。
いかにも韓国人らしい暴力的な世界もうまく描いている。内輪もめも暴力的だ。飲み屋での喧嘩の場面のハチャメチャサは、日本映画でいうと「仁義なき戦い」の深作欣二の演出を思わせるものである。

韓国映画に関する変な偏見があって今まで見ていなかったことをつくづく反省
実に肝の据わった傑作である。

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