映画とライフデザイン

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映画「イノセントガーデン」ミア・ワシコウスカ&ニコールキッドマン

2013-06-01 21:48:48 | 映画(洋画:2013年以降主演女性)
映画「イノセントガーデン」を公開早々劇場で見た。

予告編から妙に不穏な雰囲気を出していた。しかもミア・ワシコウスカちゃんが主人公を演じるという。これは見に行くしかない。サイコホラーというべきであろうか?父親が死んだあと、存在すら知らなかった叔父が同居し、その彼に疑惑の念を抱く。開始早々からドキドキさせる展開が続く。


インディア・ストーカー(ミア・ワシコウスカ)の18歳の誕生日。毎年どこかにプレゼントの「靴」が隠されているのだが、樹の上で見つけた今年の箱には、謎めいた鍵だけが入っていた。そして突然、贈り主のはずの父リチャード(ダーモット・マローニー)が、不審な死を遂げる

不審に思われる父の死について噂でもちきりだ。それが鮮明に聞こえるインディア。繊細で五感が鋭すぎる彼女は、家でも学校でも孤立していた。母のエヴィ(ニコール・キッドマン)とも心は通わず、ただ一人の理解者だった父を失ってしまったのだ。


葬儀の日、長年行方不明だった叔父のチャーリー(マシュー・グード)が現れ、インディアと参列者を驚かせる。そのまま彼は、しばらくストーカー家に泊まることになる。夫との仲が冷えていたエヴィは、悲しみにくれることもなく、チャーリーと楽しげに買い物へ出かける。その間にインディアがチャーリーのバッグを探ると、なぜかプレゼントと同じ箱が入っていた。

ある日、遠方から訪ねてきた大叔母のジン(ジャッキー・ウィーヴァー)が、チャーリーを見て動揺する。エヴィに何かを話そうとするが相手にされず、ホテルへ向かった後に姿を消す。
インディアは彼の過去に疑問も抱き始めるが。。。

「叔父さんを疑う姪」という設定で、ヒッチコックの不朽の名作「疑惑の影」を連想する。

憧れのオジサンというのが、あの映画の設定であり、それが徐々に疑いの目を向けるようになっていく展開だ。ジワリジワリと真相に迫るのが実にスリリングだ。不安な雰囲気を醸し出すカメラワークがヒッチコック作品の中でも際立つ。階段での2人のやり取りはこの映画でも影響受けている。同じような怖さを感じさせる。気になって調べてみたら、ジョセフコットン演じる叔父さんの名前はなんと「チャーリー」なのだ。いかにも「疑惑の影」を意識しているのは明らかだ。
でもリメイクではない。ストーリー展開もちがう。

この映画では、姪どころか母親も義弟であるチャーリーの存在をもともと知らない。インディアに彼への憧れはない。非常に感受性の強いインディアは最初からチャーリーに疑いを持つ。一緒に住むようになった後、学校に迎えにチャーリーが来てもまったく相手にしない。無視する。逆に自分の母親エヴィはチャーリーに強い関心を持つ。徐々に色仕掛けで迫るようになる。(こういう役をやらせると、ニコールキッドマンは天下一品である。)

そして一気にストーリーが急展開する。この映画の英題は「ストーカー」である。主人公の名字がストーカーということもあるが、普通でいうストーカーの意味も含む。途中からサイコスリラー独特の雰囲気が強くなってくるのだ。もともと無視していた関係だったのに、疑惑が強まった後に叔父への意識が変わってくる。そして自らも大胆になっていくのだ。叔父さんも見ようによっては魅力的な悪党に見える。2人のピアノの連弾場面は官能的に映す。旋律も素敵なタッチで印象に残る巧みな映像だ。


ミア・ワシコウスカは以前見せたショートヘアの方がずっと似合うし、ものすごく可愛い。この作品では
学校の中でも孤立した変わり者と周りに邪気にされる生徒だ。あえてドンくさくする。いつもサドルシューズを履く。これは父親からプレゼントされた設定だろう。それがチャーリーからプレゼントされた高いヒールのシューズに履きかえる。少女が変貌していく姿が実は一番の見せ場なのだ。
ここでは言えないが彼女は大胆な演技にも挑戦する。

ニコールキッドマンがきれいに見えた。色仕掛けで義弟と仲良くなる設定だが、ここで醸し出す性的匂いは非常に強い。マシュー・グードとのキスシーンを楽しんでいるようだ。日本でいうと「杉本彩」みたいな役をやらせると抜群にうまい。ここ数年はこのパターンで食べていけるだろう。

ときどき見せるえげつなさが韓国人監督らしいテイストだ。
概ね満足だけど、これも最後に向けての展開がものたりないなあ。

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