映画とライフデザイン

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映画「フラッグデイ」 ショーンペン

2022-12-26 18:34:08 | 映画(洋画 2022年以降主演女性)
映画「フラッグデイ」を映画館で観てきました。


映画「フラッグデイ」はアカデミー賞主演男優賞を2度も受賞した俳優ショーンペン監督の新作である。自ら犯罪者を演じている。ショーンペンは監督作も出演作も自分の好きな映画が多い。今回監督作は久しぶりだが、「リコリスピザ」や「博士と狂人」といった最新出演作も観ている。その中でショーンペンは独特の存在感を示す。予告編でどうやら犯罪者の役というのはつかめた。意外にも評価は高くないけれども、すぐさま映画館に向かう。

当初の予想と異なり、この映画でショーンペンが主演ではない。娘ジェニファー(ディランペン)の視点で話が展開する。子どもの頃から可愛がってくれた父親ジョン(ショーンペン)は普段は家にいないで、たまに帰ってくるだけだ。母親は夫をワルだと信用していない。


父親が悪さをして警察に捕まると、別々に暮らすようになる。しかし、娘ジェニファーと継父との折り合いが悪く、ジェニファーは家を飛び出しジョンの元にいったん行く。もともと父親への愛情に満ちていたのだ。ただ、長くは同居できない。ジョンはいつでも悪事の企てが脳裏にあった。一方で娘は猛勉強してジャーナリストへの道を歩もうとしているが。


映画の性質上おもしろいという作品ではない。でも、いかにもショーンペンらしいセンスある映像の作り方だと思う。好感がもてる。
ロケハンをきっちりやっているなあという風景美とバックミュージックを選択する抜群のセンスはプリッジイントゥザワイルドなどのショーンペン監督作品に共通する。いつも通りでいい。

しかも、こういう悪のダメ男を演じると、ショーンペンは実にうまい。虚言癖があり、ウソをウソで埋めようとして、ニッチもさっちもいかない男だ。犯罪者に多いタイプで、典型的な詐欺師の要素もある。それでも、身内には特別な愛情を持っている。そんな奴って身近にもいる。


そんな男だとわかっていても、娘は完全には父親を見捨てられない。そのあたりの微妙な心境が映像で伝わる。娘の辛い立場それ自体は哀しい。娘役がショーンペンの実娘ディランペンだというのは映画を観終わり初めて知った。母親ロビンライト譲りの美貌である。

この映画は予告編では事件が起きはじめて娘が知ったようなつくりかたをしているが違う。でも、かえって自分にはよく見えたし、複雑な家庭環境だったジェニファーを見事にディランペンは演じたと言って良い。

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