映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「ほかげ」

2023-12-02 09:44:38 | 映画(日本 2019年以降主演女性)
映画「ほかげ」を映画館で観てきました。

映画「ほかげ」は戦後のまもない時に懸命に生きようとしていた人たちを描く塚本晋也監督の作品である。朝の連続ドラマ「ブギウギ」で主演を張る趣里がクレジットトップとなるが、実際には子役の塚尾桜雅が中心である。謎の男森山未來にも絡んでいく。感想は書きづらい。

女(趣里)は、 半焼けになった小さな居酒屋で1人暮らしている。体を売ることを斡旋され、戦争の絶望から抗うこともできずにその日を過ごしていた。空襲で家族をなくした子供(塚尾桜雅)がいる。 闇市で食べ物を盗んで暮らしていたが、ある日盗みに入った居酒屋の女を目にしてそこに入り浸るようになり…。(作品情報 引用)


趣里が出ている場面は舞台劇のようだ。居酒屋も兼ねている小さな小屋のセットで話が繰り広げられる。居酒屋の金主のような男に加えて、戦災孤児と金なしの復員兵の3人が登場する。本当は客をとってもっと稼ぎたいのに、孤児と復員兵が出入りして居座ってしまう。なかなか稼げない。戦災孤児は食糧を盗みに入り生き延びてきた。なぜか拳銃を持っている。カネを工面すると言っていた復員兵は徐々に精神が安定しない状態になる。

しかし、イザコザができて2人とも趣里の元を離れる。

そのあと少年は復員兵の負傷した男と行動を共にする。閉鎖的な舞台劇のような場面から、屋外に風景が移る。古い家と闇市のセットが登場する。復員兵にはある企みがあったのだ。


ともかく暗い映画だ。
戦後間もない時期で、しかもその中でも底辺を彷徨う人間を映す。明るいきざしは見当たらない。もともと期待しないで観た映画だが、観ている途中から身体中がどんよりしていく。自分にはちょっと合わなかった。気分の悪い時にはお勧めしない。

それぞれの俳優はむしろ頑張っている。特に、子役の塚尾桜雅の演技レベルは大人並みだ。少年がもつ純粋な目の輝きが際立つ。今後も子役として頻繁に起用されるだろう。「ブギウギ」のノリで趣里に期待した人は対照的な姿で肩透かしをくったかもしれない。でも趣里の演技にも見所があるし、森山未來もいつも通りでいい。瓦礫が残るこの町が回復していく姿をもう少し見られれば、少しは気が晴れたかもしれない。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 映画「首」 北野武&加瀬亮&... | トップ | 伊集院静 死す »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

映画(日本 2019年以降主演女性)」カテゴリの最新記事