映画とライフデザイン

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映画「ザ・コンサルタント the accountant」 ベン・アフレック

2017-01-23 05:18:42 | 映画(自分好みベスト100)
映画「ザ・コンサルタント the accountant」を映画館で見てきました。

これは実におもしろい!!
作品情報を見ると、ベンアフレックの新作は会計士を演じているという。めずらしい設定だなと思って映画館に向かうと、なんと自閉症の異常に数字に強い会計士のようだ。それだけじゃない。ちょっとしたイザコザで命を狙われても敵を徹底的に始末する。おいおい、自閉症を取り扱った映画ってダスティンホフマンの「レインマン」をはじめとして色々あるけど、これだけ大暴れする映画はみたことがない。


この主人公はベンアフレックの親友マット・デイモン演じるジェイソンボーンのようにムチャクチャ強いけど、ストーリーも軽い伏線をいくつか置いて、日本人・東研作や芹澤家殺人事件といった「ゴルゴ31」のルーツ物のような描き方をする。自分にはムチャクチャ相性のいい映画であった。

アメリカFBIの幹部(JKシモンズ)が分析官メリー・ベス(シンシア・アディ・ロビンソン)を呼んでいる。彼女は名門大学出のきわめて優秀な分析官だが、捜査官にはなろうとしなかった。それには秘密があるのであるが、それにつけこんで幹部が彼女にある調査を依頼する。麻薬カルテルや武器商売などの裏社会の取引に1人の同一人物の男が絡んでいることが分かる写真が数枚あった。どうやら会計士のようだが、偽名で身元がわからない。その男の正体を突き止めてくれれば女性分析官の過去はもらさないという難しくいやらしい依頼だ。


田舎で開業する会計士クリスチャン・ウルフ(ベン・アフレック)が義足を取り扱う大会社から使途不明金の疑いがあり、その会社のCFOから調査依頼を受ける。ウルフは会社側に過去15年分の会計資料を用意するように頼んだ。今回は信頼できる筋からの紹介でもあり、ウルフは社長(ジョン・リスゴー)からも直接頼まれる。資料が整っているはずの会社の会議室によると、徹夜で用意していた経理グループのディナ(アナ・ケンドリック)がいた。ウルフは猛スピードで資料に目を通した。しばらくして、ディナが立ち寄るとウルフから会計数字に関する疑問を打ち明けられる。その場にはCFOとともにウルフに依頼していた社長の妹が来ていてその話を聞いていた。


翌朝前日の続きを再開しようとすると、社長が来て昨夜CFOが死んでしまったので、調査は中断すると言われる。釈然としないウルフとディナであったが、その後ウルフは命を殺し屋グループに狙われる。その襲撃を交わしたあと、襲撃者に依頼者をばらせというと、ウルフとディナを狙えとなっていることが分かる。あわててディナを助けにウルフが向かうのであるが。。。

中東エリアのような猥雑な場所で、いきなり殺し屋が次々と標的を始末するシーンからスタートする。何これ?危機一髪な場面でスタートして、その謎あかしをゆったりするというパターンはよくあるけど、結果的にはこの映画もそのパターンだ。

1.自閉症の主人公
いきなり相手に目を合わせない典型的な自閉症の症状を示す少年が出てきて、大量のピースをてきぱきパズルを組み合わせようとする場面がでてくる。確かに自閉症児はパズルが得意だ。うーんと思って見てみると、続いて出てくる会計士はその少年が大人になった同一人物のようだ。やたらに数字に強いエピソードが出てくる。映画ではダスティンホフマンのアカデミー賞作品「レインマン」で桁数の多い数字の難しい計算やカレンダーに異常に強い自閉症の主人公が全世界に強烈な印象を与えた。ラスベガスのカジノで、弟役のトムクルーズとブラックジャックで勝ちまくるシーンは痛快だった。


2.映画の自閉症エピソード
会計に不正があるとの推測で15年間の会計資料が集められ、調査をはじめる。部屋にこもり、数字をにらみ暗算で計算をしながら、数字を壁に羅列する。マジックで次から次へと書いていくのだ。そしてその数字を見ながら経理グループのディナに不正を疑えるおかしな点を理路整然と説明する。優秀なディナが数カ月かかってもできない分析を一晩でしてしまうのだ。


見ていてしびれるシーンである
「レインマン」
でも一部の自閉症患者が示す驚異的な能力を示すシーンが羅列されていたが、ここでも大きな桁の掛け算を一瞬にしてしまうシーンや、ハードロックの大音響の中で自虐的な行為をするシーンなどいかにも自閉症患者というシーンが次から次へと出てくる。銃が炸裂するアクションシーンもいいが、このあたりを見ている方がおもしろい。

3.ベンアフレック
親友マット・デイモンと組んだ名作「グッド・ウィル・ハンティング」から着実にキャリアアップしている。「アルゴ」でアカデミー賞を受賞し、直近では「バットマンvsスーパーマン」でもかなりハードなアクションシーンをこなした。個人的な好みでいうと、「ゴーンガール」やテレンス・マリック監督の「トゥ・ザ・ワンダー」の方が好きだ。

でもこの映画の方がもっと好き。「アルゴ」は締めくくりが絶対助かると歴史的事実なのでわかるけど、この映画は予想外の展開を含んでいてどうなるかわからないドキドキ度が高い。しかも、意外に湿っぽくなる部分もある。意外だけど、目がうるった場面があった。


4.魅力的な女性
バンパイア映画で名を売りジョージ・クルーニーの「マイレージ・マイライフ」でインテリ女を演じたアナ・ケンドリックも着実にいい映画に出ている若手女優だ。主演の「ビッチ・パーフェクト」は続編もつくられて大人気だけど、あれはちょっと。あとはウルフの正体探しに疾走する捜査官を演じるシンシア・アダィ・ロビンソンは初めてみるけど、アフリカ系としてはかなりの美女ぶりで、頭もよさそう。この子はこれから売れそうだ。


5.JKシモンズ
 

映画「セッション」での鬼ジャズ教師役はすさまじかったし、助演男優賞を軒並みとった。あの演技では当然だろう。


それを思えばここでの存在感はもう一歩、でもベンアフレック演じる会計士が会計調査をした企業から秘密が漏れることを恐れて徹底的に狙われるストーリーが続くのと一方で裏社会で巧みに泳ぐ会計士の存在を追わせる国家機密を握るFBIの動きが別線で続く。そこにはJKシモンズ演じるFBIのボスにとっての重要な秘密が隠されていたのだ。もともとは冴えない捜査官だったボスがある事件をきっかけにツキを取り戻す。その余談もおもしろい。ただでは帰らない。

アルゴ
ベンアフレックがアカデミー賞を受賞


レインマン
自閉症の男の数字能力に驚く、自閉症映画の代表作


ザ・コンサルタント
自閉症の会計士が格闘技にも優れる

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