映画とライフデザイン

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映画「ベネデッタ」 ポール・ヴァーホーヴェン

2023-02-23 07:23:38 | 映画(フランス映画 )
映画「ベネデッタ」を映画館で観てきました。



映画「ベネデッタ」は奇才ポールヴァーホーヴェン監督の「ELLE」以来の新作である。17世紀に修道院の院長だった修道女ベネデッタの物語である。日経新聞の映画評で宮台真司が宗教的な背景も書いて、絶賛している。寺の墓はあれど、無宗教の自分はその解説を読んでもさっぱりわからない。ただ、「氷の微笑」以来長年の付き合いになったポールヴァーホーヴェン監督の作品だけは見逃せない。「ベネデッタ」の題名文字は70年代前半の東映エログロ路線を連想させる。

17世紀、修道院に1人の特殊能力を持った少女ベネデッタが親がカネを積んで入所する。やがて大きくなったベネデッタ(ヴィルジニーエフィラ)はキリストと対面して、しかも聖痕も受けたと認められて修道院の院長になる。ベネデッタは町の有力者になった。ところが罷免された前院長(シャーロットランプリング)の娘がベネデッタの傷は自分でつけたヤラセで、前院長はベネデッタが入所させた女(ダフネパタキア)とレズビアンの関係にあるとされて窮地に立たされる話である。


この映画の感想も難しい。17世紀欧州の物語だけど、内容はすんなり頭に入る。言葉はフランス語だ。宗教上の世界で若干現実から飛躍した場面があっても、わからなくなることはない。修道院をめぐる権力闘争と教会の権威、きびしい聖職生活の中でのレズビアンでの性的発散、ぺストの流行まで描かれる。ベネデッタはベストが流行しないように街の中に他のエリアの人たちが入ることを禁ずる

ポールヴァーホーヴェン監督は強烈な女主人公をいつも用意する。当然、主役ヴィルジニーエフィラは期待に応えている。窮地に陥りそうになると、男のような声で反発する。ダイナミックなボディを何度もあらわにして、予想通りのエロティックなシーンが用意されている。ただ、「ショーガール」の水中ファックシーンを思わせるような主役の性的歓喜の声があっても、衝撃を受けるほどの激しいシーンはなかった。18禁だけど、エロきわどいシーンは多い訳ではない。でも、40歳過ぎでこのナイスバディを保つのはすごい!


シャロンストーン「氷の微笑」では、エロスとヴァイオレンスに当時30代だった自分はものすごく衝撃を受けた。戦争を描いてスケールの大きな「ブラックブック」でも主役の女性カリス・ファン・ハウテンをいたぶるきわどいシーンがあった。ポールヴァーホーヴェンの作品でいちばんよくできた映画だった。そのレベルからすると驚きは少ない。

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