映画とライフデザイン

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映画「恋のロンドン狂騒曲」 ウディ・アレン

2013-05-27 05:11:10 | 映画(洋画 2010年以降主演男性)
映画「恋のロンドン狂騒曲」は、ウディ・アレン監督が「ミッドナイト・イン・パリ」を発表する前年にロンドンで撮り上げた群像コメディだ。少し遅れてから日本公開、劇場には行かなかった。
40年間連れ添った老夫婦とその娘夫婦という2組の男女が、それぞれに結婚生活の破綻を迎えた中で新しい恋に振り回される姿をコミカルに描く。アンソニー・ホプキンス、ナオミ・ワッツ、ジョシュ・ブローリン、ジェマ・ジョーンズ、アントニオ・バンデラス、フリーダ・ピントと超一流キャストだ。

ある夜突然、死の恐怖に襲われたアルフィ(アンソニー・ホプキンス)は、それ以来若返りの特訓に励み、挙げ句の果てには妻を捨て、金髪のコールガールを恋人にする始末。
一方長年連れ添った夫に去られ、茫然自失のヘレナ(ジェマ・ジョーンズ)は、占い師のインチキ予言だけが心の拠り所に。
そんな折、アルフィ&ヘレナの娘サリー(ナオミ・ワッツ)と、一発屋作家ロイ(ジョシュ・ブローリン)との夫婦関係にも危機が勃発。サリーは勤務先のギャラリー・オーナーのグレッグ(アントニオ・バンデラス)に胸ときめかせ、ロイは自宅の窓越しに見かけた赤い服の美女・ディア(フリーダ・ピント)の虜になっていく。
(作品情報より)


ウディ・アレン監督作品には一つのパターンがある。自分または自分の分身になる男が好き勝手にしゃべりまくるというパターンで、そこに飛びきりの美女をはべらせる。その会話は別の人間が演じていても、いつもウディアレン流の言葉遣いなのである。

今回は珍しくそういう男がいない。
アンソニー・ホプキンスにしろジョシュ・ブローリンにしろウディ独特のトークが出ていない。2人には若干ワルを演じさせる。
一発屋作家ロイはもともと医者だった。作家になった医者って日本にも多い。加賀乙彦や安部公房みたいな難解な言葉を駆使するようなタイプもいれば、渡辺淳一のような軟派もいる。最初いい作品を出したが、一発屋に終わっている。編集者に持ち込んでも却下される。ちょっと高尚になりすぎという編集者の言葉だ。悶々とした日々が続いている時に、ポーカー仲間で物書きの男が事故に巻き込まれる。死んでしまったという情報だ。実は彼が書いた作品を事故の前に見せてもらっていた。事故で死亡という情報で、こっそり彼の自宅に忍び込んで書いた作品を盗んで発表してしまうのだ。。。。

ウディ作品「マッチポイント」では主人公に殺人を犯させている。でも結果として主人公を助ける。その昔であれば、映倫もうるさかったせいか、絶対にどこかで捕まる。ところが、ウディはその方向に持っていかない。意外性のある決着に持ち込む。その展開があるので、ここでもどう決着をつけるのかが楽しみに思えてくるのがミソだ。

一発屋作家の前にヒッチコックの「裏窓」ばりに自宅窓際に遠目に見つめる美女が現れる。インド系の美女だ。ナオミワッツのような美女がいるのに別の女なんてありえないと思うのが普通だが、妻が望んでいる懐妊を夫が受け入れないという事実で夫婦間が今一つよくなっていない。そのはまり方も面白い。

アンソニー・ホプキンスも古妻がいるのに「自称女優」でどうみても娼婦の女をはべらせる。

しかし、女は金がかかるものだ。こればかりは万国共通の真理。いつの間にか没落の一途をたどる。
この映画ではどちらかというとだらしない男に焦点が合っている。ジョシュ・ブローリンも「LAギャングストーリー」で見せる硬派の警官とは真逆で見ていて面白い。

ストーリーは少しづつ登場人物に変化球を投げさせ終盤に向かう。ウディらしい展開だ。
コメント
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