映画「LAギャングストーリー」を劇場で見た。
ショーンペンの出演作は欠かさず劇場で見るようにしている。
自分の昨年ベスト「きっとここが帰る場所」も彼の作品だ。自分の感覚では、ハズレはない。
今回は1949年のロス警察とギャング集団との徹底対決を描く。
テンポがよく、話もわかりやすい。適度にどぎつくて、ショーンペンのあくの強さをライアンゴズリングのキャラで和らげる。なかなかいける映画だ。
1949年のロサンゼルスが舞台だ。
ニューヨークのブルックリン生まれのギャングのボス、ミッキー・コーエン(ショーン・ペン)は、麻薬、銃、売春でこの街を牛耳り、さらにはシカゴから西の広い地域の賭博も仕切っている。また、彼の影響力は政治家や警察内部にも深く浸透していた。取り締まることはほとんど不可能だった。
ジョン・オマラ巡査部長(ジョシュ・ブローリン)はコーエンの売春窟に潜り込み、コーエンの手下を無理やり収監したが、あっという間に釈放だ。落胆していたところ、市警本部長から密命が下る。それは、少数精鋭の極秘部隊を結成し、ミッキー・コーエンの組織を隠密裏に壊滅せよ、というものだった。
極秘部隊の話を聞き、ジョン・オマラ巡査部長の臨月の妻は激怒した。それを夫がたしなめジェリー・ウーターズ巡査部長(ライアン・ゴズリング)はじめL.A.市警の「はぐれ者たち」による極秘チームが編成された。彼らは警察バッジを外し、法に縛られることなくギャング顔負けの手段でミッキー・コーエンの一味に立ち向かっていく。
「はぐれ刑事」たちはコーエンの家に盗聴器を仕掛け情報をキャッチする。そしてコーエンが牛耳る賭博場,競馬のノミ屋をめちゃくちゃにしだす。最初コーエンもシカゴなどのマフィア組織の仕業と読んでいた。自警団かギャング同士の争いと見せかける。
そのたびごとに怒り狂うコーエンは、部下は始末し、自分が賄賂をあげた警察官はボコボコにする。それにしてはおかしい。徐々に真相をよんでいくようになるが。。。。
昨年はオカマのロッカーを演じていたショーンペンが強面のギャングのボス役に180度急転換する。暴力的な性格もうまく表現される。政治家、警察に対して賄賂で買収をして、悪いことをしても捕まらないギャングだ。部下たちがしくじると全く容赦なく消していく。怖い怖い。
映画はじまっていきなりリンチにする男の手と足をしばり、前後にある車それぞれに鎖をつなげ別方向に引っ張って身体を分断するという凄いシーンを見せていく。そのあとの処刑?も容赦ない。
ショーンペンの映画ではその背景、美術が凝られていることが多い。当然1949年のロスの模様を再現したこのセットは見事だ。
ジョシュ・ブローリン演じる巡査部長は軍隊帰りでケンカ好き、コーエンのアジトにも涼しい顔をして潜り込み子分たちをボコボコにする怖いもの知らずだ。しかし、どんなに頑張っても政界や法務、警察に通じているコーエンにはかなわない。今回は思う存分ボコボコにできるのがうれしくてしかない。
危険な業務に従事することになった巡査部長に代わって仲間たちを選んだのが奥さんというのがミソだ。人事考課のいい人だと買収されてしまい、ちょっと勇み足気味の警察官を選んだほうがうまくいくと奥さんがアドバイスするのはなるほどと思った。
自分のイメージではアンタッチャブルというより「ディックトレイシー」の主人公にダブる男だ。
近年の活躍が目立つライアン・ゴズリングも無難にナンパ系巡査を演じていた。男前の彼はしっかりコーエンの情婦グレイス(エマ・ストーン)と付き合いだす。男臭い映画に彼女が色を添える。「アメイジング・スパイダーマン」の時とは違う大人の色気だ。
どちらかというとラブコメ系の色男のイメージがあったライアンも「ドライヴ」のハードボイルド系キャラが定着してきた。今後この手の映画の出演が増えてくるであろう。
三者三様、それぞれに見せ場がある。
同時に他の4人にも見せ場を与えている。特に無線の傍受にあたるオタク的な役柄がいるところが変化球だ。見ようによっては黒澤の「七人の侍」を彷彿させる。同じような時期を描いた「LAコンフィデンシャル」との違いは、そういう役割を持たせる男たちが増えることかな。
楽しめる映画である。
ショーンペンの出演作は欠かさず劇場で見るようにしている。
自分の昨年ベスト「きっとここが帰る場所」も彼の作品だ。自分の感覚では、ハズレはない。
今回は1949年のロス警察とギャング集団との徹底対決を描く。
テンポがよく、話もわかりやすい。適度にどぎつくて、ショーンペンのあくの強さをライアンゴズリングのキャラで和らげる。なかなかいける映画だ。
1949年のロサンゼルスが舞台だ。
ニューヨークのブルックリン生まれのギャングのボス、ミッキー・コーエン(ショーン・ペン)は、麻薬、銃、売春でこの街を牛耳り、さらにはシカゴから西の広い地域の賭博も仕切っている。また、彼の影響力は政治家や警察内部にも深く浸透していた。取り締まることはほとんど不可能だった。
ジョン・オマラ巡査部長(ジョシュ・ブローリン)はコーエンの売春窟に潜り込み、コーエンの手下を無理やり収監したが、あっという間に釈放だ。落胆していたところ、市警本部長から密命が下る。それは、少数精鋭の極秘部隊を結成し、ミッキー・コーエンの組織を隠密裏に壊滅せよ、というものだった。
極秘部隊の話を聞き、ジョン・オマラ巡査部長の臨月の妻は激怒した。それを夫がたしなめジェリー・ウーターズ巡査部長(ライアン・ゴズリング)はじめL.A.市警の「はぐれ者たち」による極秘チームが編成された。彼らは警察バッジを外し、法に縛られることなくギャング顔負けの手段でミッキー・コーエンの一味に立ち向かっていく。
「はぐれ刑事」たちはコーエンの家に盗聴器を仕掛け情報をキャッチする。そしてコーエンが牛耳る賭博場,競馬のノミ屋をめちゃくちゃにしだす。最初コーエンもシカゴなどのマフィア組織の仕業と読んでいた。自警団かギャング同士の争いと見せかける。
そのたびごとに怒り狂うコーエンは、部下は始末し、自分が賄賂をあげた警察官はボコボコにする。それにしてはおかしい。徐々に真相をよんでいくようになるが。。。。
昨年はオカマのロッカーを演じていたショーンペンが強面のギャングのボス役に180度急転換する。暴力的な性格もうまく表現される。政治家、警察に対して賄賂で買収をして、悪いことをしても捕まらないギャングだ。部下たちがしくじると全く容赦なく消していく。怖い怖い。
映画はじまっていきなりリンチにする男の手と足をしばり、前後にある車それぞれに鎖をつなげ別方向に引っ張って身体を分断するという凄いシーンを見せていく。そのあとの処刑?も容赦ない。
ショーンペンの映画ではその背景、美術が凝られていることが多い。当然1949年のロスの模様を再現したこのセットは見事だ。
ジョシュ・ブローリン演じる巡査部長は軍隊帰りでケンカ好き、コーエンのアジトにも涼しい顔をして潜り込み子分たちをボコボコにする怖いもの知らずだ。しかし、どんなに頑張っても政界や法務、警察に通じているコーエンにはかなわない。今回は思う存分ボコボコにできるのがうれしくてしかない。
危険な業務に従事することになった巡査部長に代わって仲間たちを選んだのが奥さんというのがミソだ。人事考課のいい人だと買収されてしまい、ちょっと勇み足気味の警察官を選んだほうがうまくいくと奥さんがアドバイスするのはなるほどと思った。
自分のイメージではアンタッチャブルというより「ディックトレイシー」の主人公にダブる男だ。
近年の活躍が目立つライアン・ゴズリングも無難にナンパ系巡査を演じていた。男前の彼はしっかりコーエンの情婦グレイス(エマ・ストーン)と付き合いだす。男臭い映画に彼女が色を添える。「アメイジング・スパイダーマン」の時とは違う大人の色気だ。
どちらかというとラブコメ系の色男のイメージがあったライアンも「ドライヴ」のハードボイルド系キャラが定着してきた。今後この手の映画の出演が増えてくるであろう。
三者三様、それぞれに見せ場がある。
同時に他の4人にも見せ場を与えている。特に無線の傍受にあたるオタク的な役柄がいるところが変化球だ。見ようによっては黒澤の「七人の侍」を彷彿させる。同じような時期を描いた「LAコンフィデンシャル」との違いは、そういう役割を持たせる男たちが増えることかな。
楽しめる映画である。