映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

冷たい熱帯魚  

2012-02-25 18:19:59 | 映画(日本 2011年以降主演男性)
冷たい熱帯魚を見た。傑作というべきか迷うが、ともかく凄い映画であった。

富士山麓のある町で主人公社本(吹越満)は小さな熱帯魚屋を経営していた。死んだ先妻のあとの若い後妻妙子(神楽坂恵)と娘の美津子(梶原ひかり)と暮らしていた。家族はバラバラだった。
そんなある日、娘がスーパーマーケットで万引きしたため、店に呼び出される。警察に言うぞと店長に激怒されていたその場を救ってくれたのは、スーパーの店長と知り合いの男、村田幸雄(でんでん)だった。村田は巨大熱帯魚屋、アマゾンゴールドのオーナーだった。帰り道、強引に誘われ、3人は村田の店へと寄る。そこには村田の妻・愛子(黒沢あすか)がいた。村田は娘美津子に自分の店で働くように勧め、住み込みの他の女子従業員たちに交じって勤務をスタートさせる。継母である妙子と娘は合わなかった。


数日後、主人公はある意味恩人である村田に“儲け話”を持ちかけられ、彼の熱帯魚店に呼び出された。そこには村田の顧問弁護士と投資者の吉田がいた。1000万もする高級魚のビジネス話に乗るかどうか迷っていた吉田だったが、まじめそうな主人公の存在も手伝い、現金を村田に渡した。
だが直後、吉田は殺される。村田の妻が飲ませたビタミン剤に毒が入っていたのだ。驚く主人公はおろおろする。豹変した村田と愛子に命じられるまま、社本は遺体を乗せた車を運転し、山奥にある怪しげな古小屋に辿り着く。そこでとんでもない行為を手伝わされるのであるが。。。。

韓国映画特有のえげつなさを日本でやったらこうなるという映画だ。一人のワルと図らずもはまっていった一人の男の話だ。ともかく2時間以上圧倒されっぱなしであった。


今回の実質主役というべきワルのでんでんは本当にすごかった。こういうのを怪演というべきであろう。
悪事を重ねている熱帯魚店の店主を演じている。人のよさそうなオヤジという雰囲気で出てくる。最初からハイテンションだが、ボルテージが急激に高まっていく。すぐにやくざじみた雰囲気に変わる。
でんでんはいろんな映画によく出ているが、警官の役も多い。要はやくざと警察は紙一重ということか。ここ最近のヤクザの雰囲気はまさに彼のパフォーマンス通りである。このハイテンションぶりは、いかにも躁うつ病の躁状態の表現である。ばくちにはまり、借金地獄になっていく連中にはよくいるタイプだ。お笑いを経験した俳優は演技ができる。特にこういうハイテンションな役にはもってこいではないか。


その妻?役を演じた黒澤あすかもすごい。夫と不釣合いな若い情婦の雰囲気をかもし出す。巷のクラブやスナックによくいるタイプの女性だ。途中ボディをさらけ出すが、いかにも使い古したようなバデイで崩れ方に卑猥な雰囲気がプンプンする。熟女もののAVを見ているようだ。そそられる人もいるだろう。その彼女と夫役でんでんとのコンビネーションが絶妙だ。この悪女ぶりはお見事だ。今後の活躍も期待できる。2人の姿に不自然さがない。現実にこんなワルの夫婦がいそうで、見ていてぞくぞくする。


主演の熱帯魚店主役吹越満は最初はオドオドした状態で出てくる。往年の冬彦さんの佐野史郎を思わせる。途中ワルのでんでんの策略にはまっていく弱々しさをうまく表現する。それがあるとき変貌する。その姿に注目したい。その妻は後妻に入った不自然に若い女性、それを元巨乳グラビアアイドル神楽坂恵が演じる。いきなり豊満なバストを強調した服を着て出てくる。主演とのアンバランスを強調しているようだ。その圧倒的なナイスバディも途中見せてくれる。今回女性二人黒澤と神楽坂の存在が映画にうまい味付けをしているような印象だ。


いずれにせよ園子温監督はうまい。その後神楽坂恵と結婚したというが、あのナイスバディを独り占めしているとはうらやましい限りだ。
コメント
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