映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

神田昌典  全脳思考

2009-07-12 20:50:08 | 

神田昌典の新作である。彼の一連の作品は一時期よく読んだ。エエカッコしいコンサルタントの言葉と違う、販売営業テクニックを学んだ。しばらくは、読んでいなかった。何気なく本屋で見つけ手にとったら、こういうセリフがあった
「私のとった結論は自己否定だった。営業している会社は時代遅れ、営業しなきゃいけないようじゃ先行き暗い。これを認めるのに、私は抵抗せざるを得なかった。。。。」
この文章を読んで驚いた。
これまで営業テクニックのプロとして売りまくっていた彼が、自己否定をするわけだから、よほどのことなのだ。
本屋で速読した。ここしばらくの本と違って、さっと読めない。内容もありそうだ。すぐ購入した。

内容盛りだくさんなので、一回では紹介しきれない。
まずは具体例も列挙しながら、産業構造の転換と知識社会への変化を解説する。そして昭和初期の小林多喜二のプロレタリア小説にたとえて現代の労働環境を「知的蟹工船」と評する。そのイメージはよくわかる。ちょうど10年くらいであろうか?パソコンが恐ろしく普及すると同時に、一人一台マイパソコンが与えられるようになった。エクセルやワープロソフトを通じての業務簡略化だけでなく、メールやネットの活用が急激に進んだ。むしろメールに追いまくられるようになった。私自身本社からの課題メールが続いて13kgやせたこともあった。

10年ほど前、神田昌典の本では、ファックスやセールスレターの効果的な使い方を伝えていた。「書いたことは実現する」という最近の流行をつくったのも彼だと思う。今も彼のビジネスモデルが完全に消えたわけでないと私は思う。しかし、神田は現在メジャーに売れているものは目立った営業活動をおこなっていないと主張する。(例えばグーグルやi-phone)それでは成功するにはどうするのか?現代の商品購入に当たって、インターネットの情報源をテレビや雑誌の2,3倍重要視する消費者が多いようだ。一日3回以上ネット検索する人は66%いるという
「検索されなければあなたの事業は存在しない。」と言い切る。

グーグル検索の上位にランキングを上げるように、ホームページの設定をすることを巷のIT会社は中小企業に売り込んでいたと思う。神田はこういう。「カテゴリーで検索される限り、競合ひしめく市場に参入されることになり、すでに事業に失敗していることになる。」巷で言われていることも否定する。 というように次から次へと神田の持論が展開される。

非常に内容がある。いつものように付箋をつけながら読んでいく。読了に時間がかかった。それと同時にもう一度付箋をつけたところを中心に読んでいった。何度も読む価値のある本だと思う。具体例も非常に身近に感じられることが書いてある。ホンダのMSXの話は知らなかった。最近のビジネスコーナーにおいてある本の中ではかなりいい本だと思う。
昔はあまり写真に出ていなかった彼が、写真入で雑誌の記事に見るようになった。コンサルタント向けの季刊雑誌「THINK」にもよく出るようになった。割とコンサルタントのことを否定していた口調が目立った彼がこういうところによく出るのはどういうわけなのか?とも思っていた。この本を読んで彼の目指そうとするものはなんとなく理解できた。自分もビジネスに役立てるように再読してみたい。

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サンキュースモーキング  アーロン・エッカード

2009-07-12 17:10:32 | 映画(洋画:2000年以降主演男性)

すごい傑作である!これまで不快な映画と誤解していた。
タバコをすわない自分にとっては、「スモーキング」の題名はとっつきづらかった。しかし、この映画は脚本、出演者、構成すべてにわたって完璧な映画である。タバコ推奨の映画でもなかった。アーロン・エッカードは好演、ケイティ・ホームズ、マリアベロの美人だけでなく男性脇役陣が鉄壁である。
アーロン・エッカードはタバコ会社が出資して運営するタバコアカデミーのスポークスマンである。離婚しているが息子が一人。タバコ有害説を唱える論者たちを前に雄弁を振るい、やっつけていく「口が達者」な人物。敵も多い。そんな彼は同じように有害とされる「酒」、「銃」のスポークスマンたちと定期的に情報交換している。美人記者ケイティホームズの取材を受けて、逆に言い負かして関係を持つがどうも何かあるらしい。。。。

「スモーキング」といいながら、出演者はタバコを吸わない。ここでの見どころは、主人公アーロンの難問解決法である。どんな相手でも論破してしまう頭のよさが見所。そう思わせる脚本が実にうまいといえる。ましてや出演者はコーエン兄弟の作品ともダブる名脇役たち。上司のJKシモンズとロバートデゥバル、対立する上院議員は「ファーゴ」のドジな主役ウィリアムメイシーこの3人が出ているだけで映画が引き締まる。主人公がどんなにかっこよくても相手がいなけりゃ本領発揮できない。

タバコというと「インサイダー」というマイケルマン監督の名作がある。この作品はシリアスでなくコメディである。匂いはコーエン兄弟作品の流れを汲む。しかし、ジェイソン・ライトマン監督のもう一作「JUNO」のできも含めて、ひょっとしてコーエン兄弟以上の天才かもしれない。

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