すごい傑作である!これまで不快な映画と誤解していた。
タバコをすわない自分にとっては、「スモーキング」の題名はとっつきづらかった。しかし、この映画は脚本、出演者、構成すべてにわたって完璧な映画である。タバコ推奨の映画でもなかった。アーロン・エッカードは好演、ケイティ・ホームズ、マリアベロの美人だけでなく男性脇役陣が鉄壁である。
アーロン・エッカードはタバコ会社が出資して運営するタバコアカデミーのスポークスマンである。離婚しているが息子が一人。タバコ有害説を唱える論者たちを前に雄弁を振るい、やっつけていく「口が達者」な人物。敵も多い。そんな彼は同じように有害とされる「酒」、「銃」のスポークスマンたちと定期的に情報交換している。美人記者ケイティホームズの取材を受けて、逆に言い負かして関係を持つがどうも何かあるらしい。。。。
「スモーキング」といいながら、出演者はタバコを吸わない。ここでの見どころは、主人公アーロンの難問解決法である。どんな相手でも論破してしまう頭のよさが見所。そう思わせる脚本が実にうまいといえる。ましてや出演者はコーエン兄弟の作品ともダブる名脇役たち。上司のJKシモンズとロバートデゥバル、対立する上院議員は「ファーゴ」のドジな主役ウィリアムメイシーこの3人が出ているだけで映画が引き締まる。主人公がどんなにかっこよくても相手がいなけりゃ本領発揮できない。
タバコというと「インサイダー」というマイケルマン監督の名作がある。この作品はシリアスでなくコメディである。匂いはコーエン兄弟作品の流れを汲む。しかし、ジェイソン・ライトマン監督のもう一作「JUNO」のできも含めて、ひょっとしてコーエン兄弟以上の天才かもしれない。
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