映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

逢びき  ラフマニノフ&デイヴィッドリーン

2009-03-15 06:46:48 | 映画(洋画 69年以前)
今日は品川の家泊まり、月曜は飲み会でDVD借りるのもどうかと思い、自宅の棚からDVDを選び出す。
デイヴィッドリーン監督の初期の名作「逢びき」である。

全速力で駅のホームを駆け抜ける蒸気機関車の姿にあわせて、ラフマニノフのピアノコンチェルト2番の第一主題が流れる。比較的速めにオーケストラが演奏する。ちょっと速すぎるかとも思うが、このテンポが本当のオリジナルなのか?
BGM的にこの曲を聴くことが多いので、少なくとも200回以上は聞いていると思う。だいたいこの曲の構造はわかっているつもりだ。美しい第3楽章の主題の使い方は絶妙、しかし1~3楽章まで満べんなく使われている。久々に映画を見たが、映画の場面に曲をうまくマッチさせているのがよくわかる。編集が良くできていると思う。
この映画が後世に残る映画となったのはラフマニノフが使われていることに大きく影響されているのではなかろうか。

トレバーハワードは「第三の男」の少佐役でも有名だ。晩年のデイヴィッドリーン監督「ライアンの娘」での神父役は名演技だと思う。そういえば「ガンジー」にも裁判官役で出ていたっけ
シリアジョンソンは舞台が中心の俳優だと聞いたことがある。この映画でもしっかりした演技を見せるが、映画を意識した表情のつくり方もうまい。

急行の止まらないある駅で、通過急行の蒸気の粉塵がシリアジョンソンの目に入る。あわてて入った駅の喫茶店の客でいた医師トレバーハワードがチリを目から取ってあげる。それがきっかけ。町で偶然に逢うことが続き、映画を見に行ったりするようになる。
小さい子供二人がいる普通の主婦シリアと医師トレバーは徐々にお互いの気持ちが相手に傾いていることに気づく。。。。。
ストーリーは単純だが、一線を越えるかどうかのためらいがテーマ
最近の映画だとすぐにベッドシーンになってしまうが、主婦としてのためらいをシリアが見事に演じる。
美女でないところも普通の主婦ぽいのでよろしい。

デイヴィッドリーンは蒸気機関車が好きである。「アラビアのロレンス」でも「ドクトルジバゴ」でも印象的に出てくる。
それにしても急行通過駅での蒸気機関車の映像は非常に迫力がある。
のちの「旅愁」や「アラビアのロレンス」で見せる美しいロケの片鱗は若干あるが、愛し合う二人の映像とジョンソンの家庭内が中心である。まだ自身の形を造れてなかったのであろう。のちに予算をたっぷりもらって映画をつくるが、どうみてもこれは低予算
それがいいのかもしれない。
コメント
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