ゴールデン・リタイアーズ

S20年生、後期高齢ゾーン、人生最終コーナー「遊行期」の
徒然残日写真録

161226 「玄冬の門」五木寛之。ポスト「古希」をいかに生きるか!

2016年12月26日 | 五木寛之

 五木寛之氏(84歳)の人生論は「林住期や遊行の門、他力、親鸞、青春の門、人間の関係」など読んだので大体、論調は予測できるが71になった今、これからの生きざまを五木氏はどう、提唱しているのか読んでみた

要旨は以下の通り。

大学を卒業するまでは青春期、就職して、結婚して、家を持ち、子を一人前に育てる朱夏、そして定年後の悠々自適の白秋期、75歳の後期高齢者になる玄冬期。死が近くなるこの玄冬期をどのように迎え、どう生きるか?

Ⅰ、未曽有の時代をどう生きる

1、玄冬はほのかな赤みが感じられる微妙な黑

2、定年までは人生の半分に過ぎない。あとの白秋、玄冬期は付け足しではなくそれこそ人生の最高の時なのだ

3、下流老人、老後破産など団塊世代に不安があおられ、家庭用金庫がよく売れている

(1)  経済的不安(2)地震原発など災害不安(3)死後、来世への確信がない不安

4、60から90までの人生をどう生きるかの人生観が未確立。自利利他の考え方、自らを利することと他を利することは一体!

5、絆などあてにすべきではない。プライドをすてて生活保護を受ければよいがしない老人が多い。親鸞:一人いて喜べば二人いるとおもえ、二人で喜んでいるときは三人で喜んでいると思え。その中の一人は親鸞である。昔の西行とか芭蕉は旅の途中一人で死んでいった。

6、高齢者と若者の間の階級闘争。

 

Ⅱ、孤独死のすすめ

1、高齢者格差・・年金&預金で悠々自適Or生活のため働かざるをえない高齢者

2、子孫の為に美田を残すな・・相続しない宣言で家族はどう対応するか?ななつ星やクルージングへの申し込みに子供が反対する!相続資産が減るから・・

3、家族内自立のすすめ・・家族と住む心強さがある反面、生活リズム、価値観の相違でなにかと不自由な面が多い。家庭内別居をして自分のことは自分でやる

4、再学問のすすめ・・高齢者独自の精神世界、妄想世界を楽しめ

5、死ぬとき家族が周りにいても本人には意識はほとんどない。人の絆に依存しなければ誰がなくなっても寂しくはない。

6、隠遁は憧れの的だった・・鴨長明は50歳で山中に隠遁。法然、親鸞、みな孤独の中で生きた。高齢者はコミュニケーションの輪を広げる必要ない。孤独に耐え、孤独になれて、孤独を楽しむすべを知ることが大事。

7、孤独を楽しむ・・タンゴを聞く。居眠り磐音江戸双紙を読む。俳句をつくる。写経をする。車中泊をする。パソコンで将棋、ゲームをするなどなど

8、世間と没交渉になることを恐れない。家住期、朱夏の時にいやというほどやってきたから

9、無から生まれて現実に生をうけて、また無に帰る。玄冬期の門をくぐったら自らこの世から引退してゆく、消えてゆくつもりで生きることが大事。

Ⅲ、趣味としての養生

1、健康法が多すぎる・・何が正しいのかわからない

癌はほうちしておけ、水は飲むな、ラジオ体操は体に悪い、一日一食でよい、血圧130はOKとか、みなウロウロしている

2、趣味としての養生・・病気にならないための養生を楽しみながらやる・誤えんしないように「べろは宝」を朝10回唱える。よく眠られるように体の向きとか枕の高さとかいろいろ実験する。中国人は冷たいビールを飲まないらしいが、水を摂取する時は白湯にして飲むとか、むせないように今から飲むよと脳から指令をだして飲むとか

3、自分の体と対話する・・どのくらい飲食すれば夜、寝つきがわるいとか、自分なりのガイドラインを持つようにする。とにかく過飲食は良くない、腹八分どころか70過ぎれば腹六分くらいでいいのではないか

Ⅳ、私の生命観

1、今の人は死んだら終わりと考えている。死んだ後の後生など考えない。昔の人は見えない世界を実体として考えていた。菅原道真の怨霊を鎮めるために天満宮を各地に作った

2、ヒンズー教では死んだら六道にいくがどこに行くかは生前の行いによる。天、人間、修羅、畜生、餓鬼、地獄。地獄には黒縄、叫喚、焦熱、阿鼻など恐ろしく描かれていた。仏教は輪廻の輪をストップさせる。南無阿弥陀仏と唱えていれば浄土に行って仏になれると親鸞は説いた。

3、宗教なき日本で如何に生きるか。家族に期待せず一人で生きる。自炊生活のすすめ。陶器市で見つけた好きな食器で食事し、ひとりカラオケにいき、好きな音楽を聴き、75歳からの遊行期、幻冬期とは子どもにかえってゆくなつかしい日々、ガンジス川に向かって死にに行くとき。

4、人間は大河の一滴。エネルギー不滅の法則。大海に散骨、海に溶け込み、水蒸気となって上昇し、雲となり、地上に雨となり降り注ぎ、新たな生命を生み出す

 

Ⅴ、玄冬の門をくぐれば

1、70過ぎて癌宣告されたら覚悟を決めて治療しないほうがやすらかに死ねるらしい

2、過去の楽しい体験をいつも思い出していると免疫細胞が強化されるらしい

3、付き合いが減ることを寂しがるなど甘えであり一人を楽しむすべを身につけることが肝要。TV相手に怒ったりわめいたりすればよし

4、ただでさえ年寄りは汚いから身ぎれいにしておくこと

5、老人が不便に思っていることを解決するアイデアを提供できるのは老人のみ

6、生きる知恵として仏教に親しみ

7、せめて死ぬときくらいは自分の意志で死にたいものだ

 さあ、ご同輩の方々はどう思われますか?人間は一人で生まれ、そして一人で死んでゆく。だから一人で生きてゆくことに慣れないといけない。まわりの人を当てにしてはいけない。ただでさえ汚いのだからせいぜい身ぎれいにしておく。家族に残すようなたいした美田はないが、後に残った妻が苦労することがないくらいの策は施して、せいぜい玄冬期を楽しみますか・・・


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