5月19日から始まったビュールレコレクション、至上の印象派展が大好評のもと終了、198、489人が九州国立博物館に足を運んだ。展示64点の半数以上が本邦初公開であり、ルノワール、セザンヌ、ゴッホなどなじみ深い画家のほんものの絵がみられるということで開会早々から出足がよかった。
さらにはルノワールの「かわいいイレーヌ」やセザンヌの「睡蓮」などが撮影OKということで人気を博したのではないか。ファン・ゴッホの自画像やセザンヌの「赤いチョッキの少年」など小さい頃、美術の時間に教科書で記憶のあった実物をみてみたいという心理が働いたのだろう。
とはいうものの19世紀から20世紀にかけて世界の美術史がどう変転していったのか、文章表示はあるが520円で貸し出されている案内ガイドヘッドフォンを聞きながら見るとより理解がスムースにいく。300円くらいならもっと貸しだしが増えるのと思うが・・。
さらに4Fの常設展フロアでは京都仁和寺観音堂の須弥壇が展示公開されており、現地でも見ることができない秘蔵の仏像群が9月中旬まで見ることができる。たまたま九博がメンテナンスで預かっているため九博で公開できることになったもの。千手観音を守護する風神雷神と28の守護神が見守る須弥壇は壮観で一見の価値がありしかも撮影が許されてるのだからすごい。
土門拳などプロの写真家には許されても日本の有名な仏像は一般人にはほとんどが撮影禁止。4年前の軽キャン日本一周時、酒井市の土門拳記念館で古寺巡礼の仏像写真に圧倒され、中尊寺金色堂の阿弥陀如来像を撮ってみたいと立ち寄ったらなんと撮影禁止、がっかりした思い出がある。京都仁和寺観音堂は現地では開かずの間、見ることはかなわない。
九博4Fの常設展示場。展示がほとんど変わらないと思っている人が多いようだが四半期に一度は展示替えでユニークな企画展が行われている。
3F特別展に行かれた人は必ず4Fにもいっていただければ新しい発見があるはず。
自然災害と美術館、博物館。猛暑の中、水害復旧活動をしている方々にはそれどころではないだろうが、一段落されたあかつきには、一度、近辺の施設に足を運んでみられたらどうだろうか