ゴールデン・リタイアーズ

S20年生、後期高齢ゾーン、人生最終コーナー「遊行期」の
徒然残日写真録

111017:伝説のディーラー、藤巻健史の「マネー逃避」読む。

2011年10月17日 | 辛口ひとりごと

 手持ち株の含み損が90万円近い(銀行株は6割強変わらず)。9月20日のブログから10万円ばかり改善したが銀行株が問題。ギリシャデフォルト危機はいよいよ深刻で、欧州銀行への公的資金注入がはじまった。日本での円高、株安の流れが止まらない。リーマンショックの再来か、それ以上か?持ち株を手放して現金化して大底の株購入資金を用意するか。イオンモールの蔦屋書店にたちよったら、「マネー回避」という本が目にとまったので購入。

 著者の藤巻氏は外資系銀行(モルガン)の唯一日本人支店長として、同行の利益の6割を自らのディーリングで稼ぎ出したという伝説のトレーダー、日本の金融識者とはまったく異なった自説をもつ。
氏いわく、日本経済の長期低迷の要因は実態かい離の円高にあり、円ドルレートが200円になれば日本は再び高成長する。中国大成長のカギは人民元の為替コントロールにある。
 そして日本の根本課題は二つで一つ目は市場経済原理を悪とする社会主義的発想であり、二つ目は日本の安全神話である。その安全神話がこのたびの東北大震災で崩れ、原発安全神話もくずれ、電力多消費社会も立ちいかなくなった。
 1400兆円の個人金融資産が超低金利の預金や国債保有に周り外資への積極運営はゼロにひとしい。円高が日本企業の低収益の原因であり欧米企業の純益とひとケタ違ってもなんとも思わない。得られるべき利益チャンスを逃しても日本の経営者は非難されず安全パイで無難にやっておれば任期をはたせる。日本は資本主義国ではなく社会主義国だと極論する。

 かつてホリエモンが資金ころがしで稼いで何が悪いとうそぶき、その結末が刑にふくして堀のなかにいる。氏は考え方はホリエモンサイドであろう。
 今、アメリカで格差拡大を訴え、その元凶は銀行だと大デモがおこなわれ、ネットにのって世界に飛び火している。しかし、日本では年金改正反対で年金生活者がシュプレヒコールをあげているだけ。これからじわじわと年金支給額は減らされてゆくのは間違いなさそうだ。誰も助けてくれないということをはっきり自覚する必要があるね
 実際、バブル期に過剰融資で儲けに走った銀行に、なぜ公的資金で救済しなければならないのか、今回のギリシャ問題も同じ根っこの問題。大震災で二重ローンに苦しむ市民、資産が流され、負債だけが残った善良な市民、中小企業経営者の救済は遅々としてすすまない。

 藤巻氏は今は個人の資産増大ではなく防衛の時であり、銀行預金は解約してドルだてMMFほか外資運用せよという。
 今回の大震災で膨大な復興資金がいるがいまや国債の引き受け手がいない。そして日本銀行が引き受けざるを得なくなった時、1万円札のばらまき、インフレ、国債の価値が下落しする。日本円の預金が紙切れになってゆく。
 円暴落、ハイパーインフレへの防波堤として外資運用せよというわけだ。誰も助けてくれない。自らのマネーは自らの才覚で守れというわけだ。
 円の対ドルレートが今日は77円くらいだったがそれが200円の円安になるのか、いつごろか、200円になれば輸出競争力はつくだろうが同時に輸入物価は高騰する。
 
正直、まだ一挙にはそこまでいかないだろうと思うが、しかし心の準備はいるだろうね。夫婦、それぞれ5万円の年金、10万円でやっていけといわれたら、ここでやっと3500万人高齢者の日本全国巨大デモの嵐がふくだろうね。

コメント
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