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小説 『告白』 レビュー

2010-06-15 | その他
『告白』湊かなえ

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」

我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。


6月5日から全国東宝系ロードショーされ,“意外と好評”なんて失礼なんじゃないかと思うような評価もある映画の原作.
本屋大賞の事は知ってても,ふとしたきっかけがないと読まなかったでしょうね.

今回も,映画化>観たいな>先に読もうか,という流れ

買ったのは文庫なので,うっかり最後の中島監督のインタビュー読みそうになったけど,読むと自分の文章で書かなくなるのでやめました.

ネタバレは程よくあります.
作品自体は随分前のものなので


じゃあ,まず作品に対する先入観から

小説読むときって,脳内でキャスティングします.
良くある事ですが,映像化されたあとだと,その俳優が好きだったりするとキャスティングは終了.
でも,ときどきもっと良い配役が浮かぶ事もあります.

『告白』の場合,映画のキャストは松たか子,木村佳乃,岡田将生,それと名前も顔も分からないけど生徒役の女の子が印象的らしいという事だけ.
しかも,松たか子以外はどんな役か知らない.
今回も良い配役だったんではないかと思います.個人的に

それからストーリー
“娘を亡くした女性教師が,クラスの中に犯人がいると告白する”
まさにその程度の知識.
全編が口頭,手紙,遺書,と形を変えながらの独白っていう構成は嫌いじゃない.

どこかで「怖い」なんて感想をみた気がするけど,正直,恩田陸『Q&A』の方が怖かった.

この作品は章ごとにレビューするタイプ.


というわけで本編

<第一章 聖職者>
主人公A:森口悠子の告白
ゆっくり,しかし,相手を苛立たせる口調を感じさせる改行のほとんどない文章.読みづらい分,引き込まれていく.
前半は生徒の名前が出てきたので,まあ,意図的に関係者の名前を挙げてるんだろうと思ったら,誰でも分かるように名前を伏せてた.

<第二章 殉教者>
主人公B:北原美月の告白
最後まで読むと,この章が一番“怖い”のかもしれない.
脳内キャスティングは佐津川愛美だったと思う.

<第三章 慈愛者>
主人公C:下村直樹の姉 聖美の告白
主人公D:下村直樹の母親の日記
この章は好きじゃない.日記形式は嫌いじゃないんだけど

<第四章 求道者>
主人公E:下村直樹の告白

<第五章 信奉者>
主人公F:渡辺修哉の告白

この二つの章は合わせて一つ.どちらも事件の真相に迫っているが,真実はいつも一つじゃない.っていう話

<第六章 伝道者>
主人公A:森口悠子の告白,そして復讐
「これが私の復讐であり、あなたの更生の第一歩だと思いませんか?」
でもね,松たか子は好きだから,この章が楽しみ.非常に楽しみ.


最後まで脳内キャストがはまらなかったのって,直樹と修哉かな.
なんか顔がなかった

土曜までに読むつもりだったけど,まさかこんなに早く読了するとは思ってませんでした.
というわけで,映画は土曜日に観に行きます.
レビューはちょっとたってからです.


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2 コメント

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Unknown (ANNA)
2010-06-15 01:25:21
私も、告白を読みましたが私も、第3章は好きじゃないです・・
なんか、同じ事の繰り返しのような読んでてつまらない章でした・・・
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>ANNAさん (virgogater)
2010-06-18 16:38:20
はじめまして
コメントありがとうございます

いや,別につまらなかったわけじゃ.
むしろ,加害者の母親があの事件に対して何を誤解し,結果として何を残したのかという点ではおもしろい章なんです.

ただ,僕は母親になった事もなければ,加害者の親という立場でもないわけで,
良くある「うちの子に限ってまさか」という状況が納得がいかないんですよね.当事者になってみないと分からないんでしょうけど.

だから,“第三章は好きじゃない”と書いたんです.
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