GATE of VICSION BLOG

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主にドラマ,映画のレビューが中心です.

演劇集団キャラメルボックス 『南十字星駅で』 レビュー #caramelbox

2010-03-13 | 演劇集団キャラメルボックス
演劇集団キャラメルボックス25th①
ハーフタイムシアター・ダブルフィーチャー
『クロノス・ジョウンターの伝説 ~南十字星駅で~』

原作:梶尾真治『クロノス・ジョウンターの伝説∞インフィニティ / 野方耕市の軌跡』
脚本・演出:成井豊

STORY
元エンジニア・野方耕市(のがたこういち)は,79歳.ある日,熊本の科幻博物館から,収蔵品の修理を依頼される.それは,43年前に自分が開発した,クロノス・ジョウンターだった.修理するうち,野方の脳裏に青年時代の記憶が蘇る.大学4年の夏,野方は親友を失った.名前は萩塚敏也(はぎづかとしや).萩塚は屋久島で沢登りしている最中,鉄砲水に流されて亡くなったのだ.萩塚に屋久島行きを勧めたのは,野方だった…….萩塚と最後に会った日に,もう一度行こう.野方はクロノス・ジョウンターに乗り込み,57年前の過去へと飛ぶ.


池袋初日3月12日(金)20時30分の回を観てきました.

こちらは『ミス・ダンデライオン』から席を移動して1階16列29番.これまたラッキー.

てなわけでレビューまとめ

小説 『クロノス・ジョウンターの伝説∞インフィニティ』 レビュー (1)
(吹原・栗塚・布川のレビュー)

小説 『クロノス・ジョウンターの伝説∞インフィニティ』 レビュー (2)
(鈴谷・朋恵・きみ時間・野方のレビュー)

演劇集団キャラメルボックス 『きみがいた時間 ぼくのいく時間』 レビュー

ノベライズ 『この胸いっぱいの愛を』 レビュー

いつも,岡内美喜子嬢が出ているといかに岡内さんが素敵かという内容を締めに持ってくる傾向があるため,今回は注意.する必要もないか;


いやあ,やっぱり野方耕市!
これほど愛すべきキャラクターがこのシリーズにいるなんて.
小説のレビューにも書いてますが,この『野方耕市の軌跡』を楽しむためにこのシリーズはあるようなものというと大げさですかね.

まあとにかく,個人的にはそれだけ野方さんが好きだというわけです.
西川さんが演じた野方だからとかそーいうんじゃなく.同じ工学の人間として野方が好き.

設計者不詳のクロノスを考えたのは実は野方だったというのもいい設定.
クロノスの理論から開発,その最後までを一番近くで見守った彼の勇士は感動もの.

あとやっぱりお芝居なだけあって,原作とは違い作ってあるところがいいですね.
これまでのシリーズからおいしいところを盛り込んだ感じがまさにシリーズ集大成.

ボグを使って一度未来に行ってから,さらに大きくなった反発力で過去に飛ぶってのはやっぱり眉唾ですが,それはもう野方さんのためなら許してしまいましょう.

でも,個人的には未来で布川と再開するプロットは見たかった.これいいシーンだと思うんですよね.
(これ,吹原だと思ったんですが,自分のレビューだと布川になってる.吹原が野方にあって,クロノスの場所を聞くってやつだったと思うんだけど,今手元にインフィニティ内から確認できないTT 野方は吹原に気づくんだけど,吹原は野方に気づかないみたいな)

どうにか遡航の目的である萩塚の屋久島行きを阻止してボグのスイッチを切ると飛ばされたのはなんと元の時代.イッツミラクル
クロノスの慈悲ですね.
思いっきり過去変えてますけど.

そうそう,キャラメルのシリーズでは蕗頼人なる来美子の弟が科幻博物館の館長ですが,吹原は来美子を助けたにもかかわらず決して結ばれることはかなわないっていうのはいいですよね.あの事件が頼人を動かしたのも.

ああ,あとダンスよかった!
めっちゃ楽しかった!久しぶりにかっこいいと思った!
くるくる回ってるんだもん.あれ,スパイラルじゃないの?
でもよかった

ミス~の時には気がつかなかったんだけど,舞台の中央が傾斜してるのってよくあるけど,今回は子供が子供に見えるようになんですね.

とまあ,やっぱり岡内嬢は素晴らしいと.
原田樹里も男優陣に引けをとらない長身でよく目立ってましたねっと.
結局最後は女優褒めて終わり.
つ,つかれ・・・た

演劇集団キャラメルボックス 『ミス・ダンデライオン』 レビュー #caramelbox

2010-03-13 | 演劇集団キャラメルボックス
演劇集団キャラメルボックス25th①
ハーフタイムシアター・ダブルフィーチャー
『クロノス・ジョウンターの伝説 ~ミス・ダンデライオン~』

原作:梶尾真治『クロノス・ジョウンターの伝説∞インフィニティ / 鈴谷樹里の軌跡』
脚本・演出:成井豊

STORY
横浜大学付属病院で働く医師・鈴谷樹里(すずたにじゅり)は,11歳の頃,小児性結核で入院していた.その時,同じく入院していた作家志望の青年・青木比呂志(あおきひろし)と出会い,「ヒー兄ちゃん」と呼んで慕うようになる.ヒー兄ちゃんは,幼い樹里に楽しいお話をたくさん聞かせてくれていた.しかし,ヒー兄ちゃんはチャナ症候群という難病のため,亡くなってしまう.19年後,樹里は,チャナ症候群に劇的な効果をもたらす新薬を手に入れる.ヒー兄ちゃんを救うため,樹里はクロノス・ジョウンターに乗り込み,19年前の過去へと飛ぶ.


池袋初日3月12日(金)19時の回を観てきました.

前日にツイッターで初日割引というツイートが流れたため,じゃあ,予定を早めてということで飛びつきましたよ.

割引価格だったため,2階席中心との話だったんですが,サンシャイン劇場が改装されてから2階に行ってないしいいかと思ったら,なんと1階15列26番!
こんな見やすいところに座っていいのかなという感じでした.

とりあえず,レビューの前にこれまで自分が書いたクロノス関係のレビューをまとめておきます.

小説 『クロノス・ジョウンターの伝説∞インフィニティ』 レビュー (1)
(吹原・栗塚・布川のレビュー)

小説 『クロノス・ジョウンターの伝説∞インフィニティ』 レビュー (2)
(鈴谷・朋恵・きみ時間・野方のレビュー)

演劇集団キャラメルボックス 『きみがいた時間 ぼくのいく時間』 レビュー

ノベライズ 『この胸いっぱいの愛を』 レビュー

あれ?実はキャラメルでやったクロノスシリーズのレビューはきみ時間だけでした.


そろそろ本題始めます.

クロノスシリーズは『きみがいた時間 ぼくのいく時間』で初観劇でしたが,舞台上にたたずむクロノス・ジョウンターをこの目で見るのは今回が初めて.

まあ,正直,感想はみんなと同じように「うわ,思ったよりでかいじゃないかい」ですよね.
しかも,ビデオやDVDだと起動時のモーションがスモークでいいカンジに隠れてしまっているため,横からせり出してくるスタイラスの動きをみるのはほぼ初めて.というか,全然違うものだと思ってました.

今回過去に飛んだのは,鈴谷樹里.
思ったんですが,岡田さんの樹里.前より綺麗じゃないかい?と,こんなことを言ったら怒られるか.

小説だと,シリーズの進行上,過去に滞在する時間を稼ぐために野方によって次々と改良されていくクロノスですが,今回,樹里が携行したのは「パーソナル・ボグ」
これ,Ⅱにしなかったのは面倒だからですかね.

個人的には,この都合よく改良されていくクロノスが好きなんですが.まあいいかあ

あと気になったのが,2回目か3回目かの注射の時,樹里がアンプルをベッドの後ろの棚から取り出してるように見えたのはこっちが見落としたからなのか,それとも本当に棚から出したのか.ちょっと疑問.

野方さんも注意したように遡航者の場から離れるとはじき飛ばされるってのがミソですからね.
関連してデイパックがはじき飛ばされた描写がなかったのは残念.
あれがあると,緊張感が出るのに.

今ちらっと,再読したけど,設定年が変わってるのかな.
『南十字星駅で』の前説で流れたビデオでは樹里が飛んだのは「2010年7月」になってたような気がするけど,原作では1999年なんですね
まさに大人の都合

こっちはとりあえずこのくらい

演劇集団キャラメルボックス 『すべての風景の中にあなたがいます』 レビュー

2009-04-19 | 演劇集団キャラメルボックス
キャラメルボックス2009
ハーフタイムシアター
『すべての風景の中にあなたがいます』

原作:梶尾真治「未来のおもいで」(光文社文庫刊)
脚本・演出:成井豊,真柴あずき

STORY
4月,イラストレーターの滝水浩一は,
熊本と宮崎の県境にある,白鳥山に登った.
山頂近くで突然の雨に見舞われ,
上から飛び降りてきた女性とともに,洞窟に飛び込む.
女性は,滝水がいれたコーヒーを飲むと,
また雨の中へと去っていった.一冊の手帳を残して.
手帳の最後のページには「藤枝沙穂流」と書いてあった.
数日後,滝水は手帳を届けるため,沙穂流の家を訪ねる.
ところが,その家に住んでいたのは,「藤枝詩波流」.
よく似た名前だが,沙穂流とは全くの別人だった.
はたして,沙穂流はどこに?


えーと,3月6日20:30の回です.
一月前の話題ですハイ.

岡田達也と細見大輔の掛け合いが絶妙.というか細見さんはっちゃけすぎ.
若干岡田達也がついてこれてない感がありました.

梶尾真治原作の作品はクロノスシリーズに続いて5作目.
自分は「クロノス・ジョウンターの伝説」「きみがいた時間 ぼくのいく時間」しか読んでいないわけですが,「ほうなるほどパワースポットによるタイムトラベルか」と素直に感心しましたよ.沙穂流と浩一が最初の出会いから一度も出会うことなく手紙だけがやりとりされるというなんともフィクション的な展開が悪くはなかったです.

で,今回は稲野杏那が初舞台.本当の初舞台は「君の心臓の鼓動が聞こえる場所」だけどちゃんとしたセリフがあるのは今回が初.
いやーいいですね.声のトーンがキンキンしてると思ったけどそれは補正をかけて聞くということで.
これからも応援していきますよ.


そうだ.
コマ劇が閉館してシアターアプルもなくなったので,今回の公演はすぐ隣にある新宿FACEでした.
ライブハウスにパイプ椅子を設置して客席を確保.
元々立ち見のフロアだから,中央には横に長いテーブルがあるのでその後ろの人は紙類の荷物はそこに置けるという親切設計.
さらに,審査員席も存在するという.

が,しかし,パイプ椅子がために尻が痛い&狭い.アプルも広くはなかったけど痛いのはちょっと.
次はもう少し何か対策を考えねば.

演劇集団キャラメルボックス 『君の心臓の鼓動が聞こえる場所』 レビュー

2008-12-09 | 演劇集団キャラメルボックス
演劇集団キャラメルボックス
2008クリスマスツアー
『君の心臓の鼓動が聞こえる場所』

脚本・演出:成井豊+真柴あずき

STORY
テレビの脚本家・根室典彦は40歳を過ぎて,いまだ独身.実は大学を卒業してすぐに結婚したのだが,わずか6年で離婚.現在,妻と娘は札幌に住んでいる.クリスマスを間近に控えたある日,突然,娘のいぶきが訪ねてくる.別れた時,5歳だった娘は,19歳になっていた.いぶきは原稿用紙の束を差し出して言う.「私,小説家になりたいの.出版社の人,紹介して!」.人生最大のクリスマス・プレゼント,それは作家志望の家出娘だった…….


12月5日の19時の回.

成井豊の14年ぶりの小説にして,脚本としてはEX系『雨と夢のあとに』『てるてるあした』に続く通称「雨夢三部作」の完結編です.
ストーリーは絡んでないのに三部作.まあ,よくあることですね.

「いいはなしじゃねいか!」と思ったのが正直なところ.
ネタバレは控えめに.

自分は映画とかドラマとか小説とかそういった類のものは,答えに限りなく近いヒントが目の前に現れるまでトリックとか「実は…」みたいな流れは登場人物とともに解決していくタイプ(つまり何も考えていない)ので,あの展開は意外でした.

客演は雨夢三部作通しての主役,黒川智花.
そこに西川浩幸,岡内美喜子,大内厚雄などなど主役級ががっちり固めるというクリスマスキャスト.

西川さんの典彦は相変わらず.
笑わせるところは笑わせて,引きつけるところは引きつける.

で,黒川さんは,はじめのセリフを発した瞬間に「え?これでいいの?黒川智花ってこんな声だったっけ?」ともやもやした不安がこみ上げてきました.
「もう少し落ち着いた声だった気がするんだけどなあ」と.
「そんなに高い声じゃなくても客席まで届くんだけどなあ」と.
かわいかったからいいですが.なにか

かわいいといえば
筒井さんの何を間違えたかお姉口調.おもしろかったからいいですが,あれはさすがに当事者だと「ちょっと黙ってろ」といいたくなりますね.

いやいや筒井さんではなく岡内さんですよ.岡内美喜子嬢.
『ハックルベリーにさよならを』は観ることができませんでしたが,かなりのかわいさでした.真知子ちゃん.
もう,筒井さんと一緒に「きゃん」とか「まいっちんぐ」とかいってると抱きしめたくなってしまいます.
ということで今回も理解している役でしたね.

大内さんの砂川.よかったですね.
キャラメルの作品には多い気がしますが「時間の読み上げ」.時間が着々と進んでいるというイメージは抱くわけですが,どれくらい進んだかは正直気にしてません.
独り言(解説)はずいぶんとおちゃらけているものの,会話ではしっかりと言葉を選ぶ.かっこいいです.


ああそうだ
ラストシーンでベットに寝ていたのは誰ですかね?
あのシーンに登場していなくて,女性ということは實川さんですか?
まさか人形じゃあないですよね.

来年はハーフタイムシアター『すべての風景の中にあなたがいます』『光の帝国』,『容疑者Xの献身』,『風を継ぐ者』,『さよならノーチラス号』,クリスマスツアーは成井さんの新作というラインナップ.

光の帝国は絶対に観る.
そのために終演後,キャラガチャのカプセル明けをしていた畑中さんに「楽しみにしてます」と声援を送ってきましたよと.

あの前説は『容疑者』の伏線でいいんですかね?

演劇集団キャラメルボックス 『嵐になるまで待って』 レビュー

2008-08-16 | 演劇集団キャラメルボックス
演劇集団キャラメルボックス
2008サマーツアー
『嵐になるまで待って』

原作:成井豊『あたしの嫌いな私の声』
脚本・演出:成井豊

STORY
声優志望のユーリは、テレビアニメのオーディションで見事、合格! その顔合わせで、作曲家の波多野、その姉の雪絵と出会う。波多野は、雪絵に乱暴をしようとした俳優・高杉に対し、「やめろ!」と叫ぶ。その時、ユーリの耳には、もう一つの声が聞こえた。「死んでしまえ!」という声が。翌日、高杉は行方不明になる。まさか、本当に死んでしまったのか……。その夜、波多野から電話がかかってくる。イルカのペンダントを拾ったので、取りに来てくれと。それは、元・家庭教師の幸吉にもらったものだった……。


8月12日の19時半の回です.

4回目の再演,今回はユーリに渡邊安理,波多野に細見大輔,雪絵に温井摩耶,ゲストでコーキチくんに土屋裕一(*pnish*),滝島に久松信美を加えての公演.

2002年再演版しか観てませんので(CBTV),そんな感じのレビューになります.

正直面白かった.
キャラメルのサスペンスとしてテレビで観ると,もう「終わった作品」として安心してみていました.が,生で観るとラストのアクションシーンはハラハラドキドキです.
あれメチャクチャ危ない.傘とがってる.刺さったら死ぬ.痛い.やめて欲しい.てなかんじになります.

波多野は岡田達也のほうが好きかな.キレた後はホントに怖かったです.
細見さんの波多野はあの状況を楽しんでいる(悪い意味で)みたいでした.
劇中曲はすべて波多野の作曲という設定はかっこいいですね.

ユーリは前の岡内さんより渡邊安理ですかね.
冒頭のオーディションシーンでセリフをかんだところは,こいつ緊張してるわ感が出てましたし,うれしいときにうれしそうで,悲しいときに悲しそうでした.
これってユーリの感想じゃなくて,渡邊さんの感想ですね.

西川さんの広瀬教授.
知っている側としては面白いですが,知らないとあのテンションは何だろうみたいにならないのかな.
考えてることも,やることも基本的には超まじめなんだけど,いつもは超ふざけてる.ああいう人がかっこいい.

石原さんの高杉.
こわいですねえ.何でしょうかあの冷酷なしゃべり方.ぞくぞくします.

幸吉くん.
オリンピック期間中なので日替わりでアドリブだとか.
電話しながらジャケット(かな?)を脱ぐシーンは誰かが後ろから引っ張っている演技だと思ってました.

温井さんの雪絵.
セリフが手話でもやっぱり,温井さんだなという芝居でした.


ソニー協力でそのまま映画化もされるみたいで,ちょっと楽しみです.

サンシャイン劇場も新しくなってシックな感じで良かったです.
ポニョ水族館は観てません.ポニョがいるの?

クリスマスツアーは新作,客演.
とりあえずまだ詳細は伏せておくべきなのかな?

演劇集団キャラメルボックス 『水平線の歩き方』 レビュー

2008-06-22 | 演劇集団キャラメルボックス
演劇集団キャラメルボックス
2008ハーフタイムシアター
『水平線の歩き方』

脚本・演出:成井豊

STORY
岡崎がいつも通りに仕事を終え、アパートに帰ると、
そこには、母がいた。
岡崎が小学6年の時に、病気で亡くなった母が。
幽霊? しかし、母は「お帰り」と言い、夕食の支度を始めた。
母の手料理は、懐かしい味がした。
親子二人で過ごした日々が、岡崎の脳裏に鮮やかに蘇る。
あの頃、母は大人に見えた。
が、目の前にいる母は、明らかに自分より年下だった…。

観劇は6月15日(日)14:00の回

例によってまだ公演中なので控えめに.

え?「ハックルベリーにさよならを」は観ないのかって?
時間とかそういった関係です.残念.

いやもう正直,岡田達也と岡田さつきのコンビが観られればハッピーなわけです.

以前から加藤さんがハックの後日談だと謳っていたので,どこがリンクしているか楽しみでした.
まさか,あそことは.

ずいぶんと成長しています.

岡田達也いいよなあ.
あのダンス明けの台詞なんて彼にしかできないでしょう.
節々の演技がかっこよすぎてもう.大絶賛.

演劇集団キャラメルボックス 『きみがいた時間 ぼくのいく時間』 レビュー

2008-03-22 | 演劇集団キャラメルボックス
演劇集団キャラメルボックス
2008スプリングツアー
『きみがいた時間 ぼくのいく時間』

原作   :梶尾真治「きみがいた時間 ぼくのいく時間」
脚本・演出:成井豊

STORY
住島重工の研究員・秋沢里志は,海外派遣留学を終えて,5年ぶりにニューヨークから帰国する.空港で待っていたのは,5年前に別れたはずの恋人,梨田紘未(ひろみ)だった.自分の帰りを待ち続けていた紘未に,里志は激しく心を動かされる.一方,里志は住島重工の子会社P・フレックで,新しい機械の開発に携わることになる.それは,物質を39年前の過去に送り出す機械,クロノス・スパイラルだった.最初の実験の日,里志の元に電話がかかってくる.紘未がトラックに撥ねられ,病院に運ばれた…….


3月21日19時の回を観てきました.

今回は原作「きみがいた時間 ぼくのいく時間」は読んでいません.
このレビューを書くに当たって読んだものは第3刷の『クロノス・ジョウンターの伝説』と劇場無料配布プログラムのみです.

観劇後の感想は,「上川隆也,カックいい」「なんだすごくいい話」「でも,そのラストはどうなんだ?」です.

「おもしろかった」という表現より「かっこよかった」ですかね.
里志がクロノス・スパイラルで39年前にさかのぼった後の件は,作り込んであって良かったです.
特に,2幕の明けはちょっと感動ものでした.

あの結末はアレでいいんでしょうか.
いや,決してハッピーエンドを否定しているわけではなく,あまりにも都合が良すぎて,そのほかの問題を一気に無視したような気がしたのが残念でした.
もう少しパラドックスについて言及して欲しかった.

岡内さん出ずっぱり.主役じゃないのに.
けどかわいかったなあ.

これはあれですね.下手に2幕構成にすると2つの芝居を観ているようなもので,2幕を見終わった後に1幕を見直さないといけないという衝動に駆られてしまいます.

追記はするかもです.
というかします.時間軸理論について別記事とかで考察レビュー書くかもです.これいいネタです.

演劇集団キャラメルボックス 『猫と針』 レビュー

2008-02-13 | 演劇集団キャラメルボックス
演劇集団キャラメルボックス
2007チャレンジシアターVol.5
『猫と針』
作・恩田陸 演出・横内謙介

人はその場にいない人の話をする

STORY
高校時代の友人,オギワラが亡くなった.
葬式の帰りに集まってきたのは五人の男女.
ささやかな宴が始まり,とりとめのない世間話と噂話に花が咲く.
しかし,どこかぎこちない五人.宴に隠された思惑とは?
果たして彼らの行き着く先は何処なのか?


2月8日にDVDと戯曲本が発売されました.

というわけで,昨日届いたわけですが,試験&論文提出という過酷な状況にもかかわらず,22時から鑑賞してしまったわけです.
あー,序盤だけで見終えるつもりだったのに.

そんなこんななんで簡単にレビューでもしておきますかね.
明日も試験ですが.


キャラメルと恩田陸の出会いは「チョコレートコスモス」の取材だそうで,猫と針の企画が始まったのは所属俳優の岡田達也と恩田陸の飲み会の席だそうです.
ものすごく魅力的な組み合わせ.

もうネットで探せばいくらでも情報が出てくるかとも思いますので,ある程度のネタバレはアリと言うことで.
そういえば,観に行ったのは撮り日でした.

昨日の鑑賞で思い出したのが,劇場に入ったときの何というか違和感でしょうか.
会場内でお香を焚いていたらしいですが,それではなく舞台装置に何かを感じたわけですね.

で,それが何だったのかといえばそう「六番目の小夜子」

恩田陸と芝居といえばチョコレートコスモスではなく小夜子の印象が強いんですよ.

ロクサヨで上演されたのは全校生参加型の一人芝居.
舞台装置はまさに,舞台上に椅子と花瓶でした.

「ああそれで」と思いましたね.
妙に納得です.

と,これを書きながら気がついたのがチョコレートコスモスでの劇中劇です.
飛鳥が入った演劇サークルの旗揚げ公演は必要最小限のセットでした.
まあ,これまた椅子なんですね.

もう,個人的には

恩田陸x芝居=舞台上の椅子

という何の根拠もない方程式が完成しつつあります.
なんとしても証明してみたい.

あ,内容ですか.
そうですね,ドキドキするというんですかね.
恩田陸独特の陰のありそうなキャラクターが五人登場して,牽制しあっているわけです.これでいいのかな?

例によって事件は未解決,少しの恐怖と少しの期待,少しの疑問を残して終わります.

そしてなんと言っても「恩田陸すげえじゃん」という感想.
もう一作ぐらいは書いてもらいたいというモノです.

密室劇だけどサスペンスじゃないやつとか.どんなだか.
そこはもうあえて学校の教室にするとか.

個人的には恩田作品の登場人物の名前(だけ)がちらっと出てきてもおもしろいのかと思いますね.