音楽祭の準備で、リボン結びや、クリアパックに商品を包んだりしながら、ながら族で、ドラマ「Mother」を見てました。主演が、松雪泰子だし、連ドラは、初回から見ないとわかんなくなるしねという程度の関心度だったのに、最後に見終わって号泣している自分がいました。
ドラマは、世相をキャッチするのが早い!児童虐待を、こう取り上げてくるかとうなりました。
子供は、虐待されていても、親に媚びるしかないんだね。夕食時に、500円玉を持たされて外に出される7歳の怜南ちゃんには、クリームソーダは、飲み物でなくて、食べ物だった。
大好きな絵本も、おもちゃも、ハムスターのスズも捨てられた。「天国で幸せに暮らしてるのよ」と投げやりに言う母親の言葉に、「そうだね、スズは、天国に行きたいんだね」と、精一杯の笑顔を作って答えるのが、痛々しい。
そして、ついには、自分さえ、黒いビニール袋に入れて捨てられる。鈴原奈緒が、見つけて、彼女を介抱する。
「何か飲む? 何か食べる? どうしよう。ねえ、どこか行きたいとこある?遊園地とか動物園とか」
「さっぽろ 行きたいです」
「札幌? いいわよ」
「赤ちゃん ポストに行きたいです ポストに写真がないの」怜南ちゃんは、赤ちゃんポストのことが書かれた記事を握り締めていた。
衝撃!ガーンと来ました!奈緒でなくても、彼女をギュッと抱きしめたくなるでしょう。
しかし、奈緒が取った行動は、驚いた。決して子供好きとはいえない淡々とした奈緒は、怜南を、誘拐しようと思うと、彼女自身に提案するのだ。
怜南ちゃんは、泣きながら、「お母さん、怜南のお母さん」と奈緒に抱きつく。この子が、自分の感情を露わにしたのは、初めてだったんだね。無防備に、抱きついて、そして抱きしめられる。
テレビドラマというより、映画のように重厚です。
奈緒自身が、拾われた子であることを、カミングアウトし、怜南との逃避行に出る。育ての母や、生みの母らしい登場人物もチラリと出てくる。これから、どうドラマが展開するのか楽しみです。
怜南ちゃんの好きなものノート、心に残りました。
「まわるいす、のぼってくさかみち、おふろばできこえるこえ、ママとめがあううこと、スズがひまわりのたねをたべるとこ ゆきをふんづけるおと、よるのそらのくも、クリームソーダ わたりどり」
好きなものを、ずっと考えることだけが、つらい現実を受け止める防御策だったのだ。子供は、大人が考えるより、子供じゃないね。