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Drコトー診療所2006 第4話

2006-11-09 17:49:14 | 映画&ドラマにハマル!

今日、第5話放送前に、第4話のこと、書いとこう。出張中の宿のテレビで見たけど、ちゃんと録画もした。(ほっ)

続編の強みというのは、前に見せたエピソードを、引っ張っていけるってことね。
「Drコトー診療所2004」のスペシャルの時、昌代さんが、脳溢血で倒れ、重い障害を負ってしまったのだけれど、それを、夫婦で支えあって乗り越えていこうというところで終わったお話の2年後を、更に描く。正一さんと、昌代さんの夫婦愛。いいよねえ。

正一役の小林薫さんが、いい味を出しているのは、当然だけど、奥さん役の朝加真由美さんも、いい!体の不自由なところが、実に自然に見えてしまうのは、きっとリハビリしている人をよく観察されたからに違いない。

コトー先生に好物の卵焼きを作ってあげ「同情はいや。これからもよろしく」と言った昌代さんが、とてもチャーミングだった。

この玉子焼きのエピソードも、スペシャル版にあるものだけど、過去の映像をちらっと入れて、初めて見る人にも、わかるようにしてある。でも「Drコトー診療所」ファンは、その場面も、たちまち思い出せる。(カッチイも、もちろん)回想シーンも思い出させて、よりシーンを深く味わえる仕組みになっているわけだ。

コトー先生も、昌代さんの言葉に、ぐっと胸にきたようで、一瞬涙ぐむ。人を救うコトー先生が、人に救われる瞬間も描いたシーンは、ジーンと来る。コトー先生の孤独や、苦悩が描かれることが多い「Drコトー診療所2006」で、こういうシーンがあるとほっとするわ。

吉岡さん自身にとっても、コトー先生というのは、特別なようだ。

「コトー先生は、人に寄り添うことを大事にしているひと。透明な風のようで、どこか頼りないイメージがある。役者吉岡が張り切りすぎると、その存在がなくなる。自然体でいると横に現れてくる気がする。演じるのとは、ちょっと違う感じですね。」朝日新聞の記事より。

「四日間の奇蹟」の敬輔も、真理子の気持ちに寄り添う役だったなあ。ちょっと、コトー先生と似たところがあるかもね。

当たり役と言われた「北の国から」の純や、寅さんの甥っ子満男は、「コンプレックスがあって生々しく人間くさい」とは、吉岡さん自身の弁。「純のこういうところが大嫌いだ」と、キャラクターのケンカしながら演じていたと発言していたこともあった。ある意味、演じるキャラクターとの距離が短く、がむしゃらだったのかもしれない。

人格的に、とても誠実で優しいコトー先生の内面をも演じることは、また一つ高いハードルなのだろう。視聴者のコトー先生に対する期待が高く、コトー先生像が決まっているから、余計に演じるのは、難しいとも番組の特番で語っていた。ここは、視聴者を、よい意味で、裏切ってもらいたいわ。

「コトー先生って、一歩ひいて見ているところがある。」というのが、吉岡さんのコトー先生観。だからこそ、コトー先生というキャラクターを、自分の我で演じてしまわないように、吉岡さん自身が、コトー先生を冷静に観察し、客観視しようとしている。それいてこの役に、深い愛情を注いでいる。

コトー先生が、天使のような存在として描かれるのは、おかしいと思うけど、苦悩するコトー先生ばかりでは、辛い。コトー先生自身が、島の医師としての暮らしのなかで、癒されて欲しい。だから、今回の卵焼きのシーンは、嬉しかった。こういうシーンが、もっとあるといいな。

コトー先生は、吉岡さんの実年齢と同じ設定だ。「博士の数式」のルート先生は、もう学校の先生なりたてというくらい若く見えたが、今回は、30代半ばの青年医師らしい落ち着きがあるのが頼もしい。本当に、いい年のとり方をしている人だと思う。コトー先生に、あれから3年後という変化が、見て取れないと、ドラマに説得力がない。

さて、島を離れて孤軍奮闘するタケトシ親子のシーンが、ちょっと多くて、もう島の話中心でいいのにと思っていたら、第五話で、二人が島に帰ってくるらしい。このへんのさじ加減も、実に、このドラマは、上手い。第4話では、意図的に、大きな手術シーンはなかった。それでも、消化不良に終わらない満足感を与えてくれる。1話ごとというより、11回全体で、見せていこうという姿勢ね。最後のほうのヤマ場で、彩佳のことが出てくるのは、必須ね。

さて、今夜も、10時には、かじりつきましょう。