【ローマ共同】イタリアのルネサンス期を代表する芸術家レオナルド・ダビンチ(1452~1519年)のものである可能性が高い人物画が、カナダの美術専門家により見つかった。判定の決め手は絵に残された指紋だった。14日付イタリア紙コリエレ・デラ・セラなどが伝えた。
絵は当初、1万9千ドル(約170万円)で落札されたが、ダビンチのものと確認されれば1億ユーロ(約133億円)以上の価値があるという。
女性の横顔を描いた絵(縦33センチ、横23センチ)で、19世紀のドイツ人画家の作品とされ、1998年にニューヨークでの競売で同市の美術商が落札した後、カナダの収集家に転売されていた。
その後、ダビンチの作品の可能性があるとしてカナダの専門家が赤外線などを使って鑑定した結果、絵の左隅に人さし指か中指の指紋を発見。指紋は現在バチカン美術館に保管されているダビンチの絵画「聖ヒエロニムス」に残された指紋と酷似していた。
放射性炭素年代測定によると、絵は15~17世紀に制作されたことも判明。オックスフォード大の別の専門家は、描かれた女性は当時ダビンチの後援者だったミラノのルドビコ・スフォルツァ公の娘の可能性が高いとしている。