シムシムが来た

　辞めてから、初めてシムシムが顔を出してくれた

（シムシムとは、元スタッフ焼き場担当をしてた男の子）

シムは、モヒカンを綺麗に剃って丸坊主になってた。実際、声かけられなかったら

わからない。彼なりの今まで行ってたバイク屋さんに社員で入った気合らしい。


お兄ちゃんと二人で来た。（お兄ちゃんは、ドレッドヘアーだ）

気の優しそうなお兄ちゃんは、家でこいつどんなとこバイトしてたか、

言わないんです。と。いい所でお世話になってたんですね～と目を細める。


シムシムは遺作の、美酒鍋と酒カスプリンは売れてますか？

と、メニューを見て心配そうに言う。お客さん、喜んでくれたはる事を

告げると安心したように、又ビールを飲む。


他のスタッフは代わる代わる、シムに話に行くので私の順番が中々来ない・・・

でも、ひっくり返りそうなくらい笑ってるシムを、見てまあいいかと思う。


帰りに少し酔ったシムは、又来ますと元気に帰って行った。









シムは、先日長野県にボードをしに行ったらしく、なんと偶然サワタクに出会った

と話てくれた・・・・・　　　私は、ポツリと、

「あ～サワタクのボード姿は、さぞかし　かっこいい～やろうな～」と呟くと

誰かが、私の背中をしばいた　　（誰やねん？）と振り返ると

まる父さんが、「俺の方が、かっこいいし」（へ？なんじゃそりゃ？）

鼻息荒く、「俺の方が、かっこいいの。」（はあ？言いきったな？）

どこが？と聞くと、「全部なの」（はあ～、負けづ嫌いかジェラシーか？）


おかしなとこで、ムキになる。



帰りに着替えてたら、「俺は、海も山も似合う男やねん」（はいはい、まだ言うの？）

「でも、スポーツと違って、漁師とか、猟師のイメージやねんて」

（ん～なるほど、そうだな～）

そう言いながら、たたまずに置いてあったクシャクシャになったジーパンを、

恥ずかしげもなく、私の目の前で着替えて（あっと、パッチはいてるよ）

飲みに行った。









後から来た、かよちんに一部始終を報告し、二人で顔を見合わせ

「男って、めんどくせ～」と、大笑いした。