お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

ニタリ

2008年01月15日 | 市場

 今日は水揚げ作業をしていると漁協の定置網からニタリが水揚げされる。ニタリは外洋性のサメであるがここの定置網では普通種でよく入網する。このニタリ、特徴はなんといってもこの長い尾鰭。尾叉長と同じくらい長く、優雅である。さらにこの大きな瞳。サメではあるがとても可愛い顔つきである。当然水族館で泳げば人気者間違いないと思われる。しかしこのニタリ、飼育となると困難極まりない。というより不可能のような気がする。沿岸での釣り採集は釣れる確率が非常に低いというか不可能と思われる。となれば定置網となる。尾鰭を除けば体は小さい方である。扱うには十分可能なサイズではある。だが狭い所では泳げないようで、定置網で網を絞る段階で殆どが転んでしまう。飼育が難しいシュモクザメなどは船で生簀まで状態良く運ぶ事が重要であるが、ニタリはそれ以前の問題である。定置網に入網した個体を活かす事は不可能と思われる。まだ試した事が無いが、ニタリを生簀で活かす可能性として、産み落とされる直前のよく発育した胎仔を母ザメの腹を開いて取り上げるくらいしかないのでは。だが、そのような母ザメに出会う確率は非常に低い。いつの日か水族館で優雅に泳ぐニタリを見てみたいものである。
コメント
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