お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

4年目にしてやっと出会えたツキミシビレエイ

2021年12月29日 | 採集
 昨日で今年の定置網漁も終わり仕事納めとなり、今日から正月休みに入る。毎年お世話になっている深海エビ漁は今日が今年の最終日というので、深海魚採集の為、乗船させてもらう。でも、最近は薩南諸島で頻繁に地震があり、それからはエビが不漁との事である。今回は最終日なので通常4回操業するところを3回の操業の予定であった。だが、結局不漁な為、4回操業する事になる。私としては操業回数が多いほど珍しい魚に出会う確率も増えるので有難いのだが、エビが不漁では申し訳なく思う。深海魚の方は今まで出会った魚が殆どであったが、最後の最後で大きなシビレエイの仲間が入網。危ないので体が傷付かない様に手鉤で引っ掛け、クーラーへと入れる。実はこのシビレエイの仲間を深海エビ船に乗せてもらう様になってからずっと探していたのである。初めて深海エビ漁に乗船した時(ブログ2017 7.26)に大きなシビレエイが採れたのだが、危ないので船の人が直ぐに鉤で引っ掛け海に捨ててしまった。シビレエイは良く採れるという事だったので、また直ぐに出会えると思っていたが4年も掛かってしまう。その当時丁度、魚ボラの学生が台湾の固有種と考えられていたヤマトシビレエイ科魚類が日本における分布も確認され、論文を執筆していたのである。だが、東シナ海産の標本はあるものの、地元鹿児島県産の標本はなく、深海エビ漁で採れるシビレエイの仲間を見てみたいという事であった。しかし、そのシビレエイの仲間を見せることが出来ず学生は大学を卒業してしまい残念であった。そのヤマトシビレエイ科は日本初記録種として報告され、標準和名ツキミシビレエイと提唱された。今回のこの個体も背鰭が 2基あり、体盤が楕円形で生鮮時の背部の色彩は一様に褐色であること、尾鰭後縁がわずかに湾入することからツキミシビレエイと思われる。だが、そこは自分の自信ない同定という事であとはいつもの魚ボラ任せとする。海水温の低い深海に生息するシビレエイの仲間なので、氷水に入れても直ぐには死なないだろうと思い、この個体をクーラーに入れてからは危なくて中に手を入れることが出来なっくなってしまう。結局、家に帰るまでクーラーの中の確保した魚を見たり出したり整理する事も出来ずに帰路に就く羽目となる。








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