お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

仕事で良かった!ヨスジヒメジ

2021年09月23日 | 定置網
 今日は祭日と言う事で朝から港の堤防には多くの釣り人が来ている。だが、自分達の仕事に祭日はない。その祭日を満喫している釣り人を横目にいつもの様に定置網漁に出漁。出漁したものの漁模様は低調で帰港。選別台で魚の選別作業をしていると、自分の目の前にヒメジが流れてくる。体側に縦帯があり、尾鰭の上葉のみ斜線がある。ヨスジヒメジである。ヨスジヒメジは今までに2個体しか見た事がなく、そのうち魚ボラが始まり標本収集をするようになってからは1個体のみ(ブログ2007 9.18)である。しかも標本用に確保した個体の体側はスレており、同定に重要な尾鰭の上葉は欠損している。その傷んだ標本で3年前に県本土の初記録を報告している。今はここの地域を含む魚類図鑑を作成中だが、ヨスジヒメジはその傷んだ標本の写真を使う予定である。今回の個体は何処も傷みはなく、とても綺麗な個体である。珍しい魚なのでもちろん魚ボラの標本用に確保するが、それよりも今は図鑑に完全な綺麗な個体を載せたいという思いの方が強い感じである。ヒメジ類なら普通に冷凍でも大丈夫だが、綺麗な写真を撮ってもらいたいので大学へと走る。これで図鑑も傷んだ個体の写真ではなく、綺麗に撮ってもらった写真と差し替えられる。今日は世間では祭日であったがヨスジヒメジと出会う事が出来、それだけで大満足であり、本当に仕事で良かったと思う次第である。












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