
今日は新定置網操業2日目。定置網を起こすとマルソウダやアヤトビウオなど青ものばかり。そんな中、色鮮やかな魚が目につく。クマノミである。クマノミはこの辺にはたくさんいて、決して珍しい魚ではない。今までにも港で釣ったり、潜って魚ボラの標本用に採集をしている。ところが定置網には入らない魚である。私がこの仕事を初めて20年だが、15年程前に1個体獲れた事があるくらいで、今回の個体は2個体目である。今回は比較的早く見つけたので、綺麗な状態で捕る事ができた。標本にも水族館も必要ないだろうなと考えていると、従業員からその魚貰えるかと声が掛かる。聞くとその人の孫が海水魚を飼っていて、水槽で飼いたいとの事。それならばとその人に引き取ってもらう。喜ぶお孫さんの顔よりもその顔を見て喜ぶその人の顔が思い浮かぶ。