上野みえこの庭

日本共産党熊本市議の上野みえこのブログです。

熊本市議会庁舎整備に関する特別委員会・・・建替え先にありきでなく、慎重な検討・検証こそ必要

2019-06-26 23:34:46 | 熊本市議会
6月26日、第1回目となる「庁舎整備に関する特別委員会」が開かれました。
執行部より、2018年3月に調査結果が出された「熊本市本庁舎整備計画作成業務委託報告書」に基づき、本庁舎の耐震性能が不足している問題と、建替えの必要性についての説明がありました。加えて、6月3日から始まり、7月中旬まで開かれていく、本庁舎整備に関する市民説明会の開催状況について、中間報告が行われました。
委員会では、活発な議論が行われました。
他の委員からは、
「説明会では、熊本地震でほとんど損傷がなかったことなど、事実を正確に伝えてほしい。建替えは後世に大きな借金を残すことにもなるので、慎重な検討が必要」
「議会の議論が今から始まるというのに、建て替えを前提に、スケジュールまで示して、市民へ説明会を開いているのは勇み足ではないか。市民・議会の合意形成はできていない。1年遅れれば、事業費が何十億も増えていくという説明は、早く早くと急き立てているようなもの。いろいろと議論をしてすすめるべき大事な課題ではないか。」
「市の報告書に対して、市が依頼した学識者の意見は聞かれているが、さまざまな立場の識者の意見を聞いていくべき」
などの意見がありました。

日本共産党からは、
1、耐震性能調査がもともと建替えの検討も含めて委託されていた「建て替え先にありき」の問題点、全国の政令市の市庁舎についての報告でも耐震性能不足の場合は建て替えを急いで検討しているかのような報告は、実情と違っているところもあり、問題であること
2、説明会で事業費400億円ということが全く説明されていない問題などを指摘し、市民への説明ではきちんとした説明を求めました。
3、加えて、全国的には、東京では荒川区役所(2011年・大成建設)・江東区役所(2013年・竹中工務店)・北海道庁(2016年・竹中工務店)などの「居ながら改修」が行われていること、熊本市が耐震性能の調査を委託した受託業者の安井建築設計事務所も大阪港湾合同庁舎(2010年)で免震改修の実績があるなどを紹介し、全国各地の耐震改修事例の検証・検討を行うことを求めました。
4、今回の市役所建て替えは、今のままでは大規模災害への対応ができなくなるということを理由にしているので、建て替え先にありきでなく、災害時に行政の庁舎が防災拠点としての役割をどのように果たしてくのか、防災と庁舎のあり方について参考人の意見聴取などを行うことを提案しました。

委員会では、次回委員会で「庁舎整備計画作成業務委託報告書」に意見を述べた4人の識者と、自民党市議団から提案のあった元広島国際大学工学部教授の齋藤幸雄氏を参考人としてお招きして意見を聞くことになりました。

熊本市の将来にかかわる大事業です。市民の理解や納得が得られるような慎重かつ十分な検討・検証が必要です。
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