あまちゃんの カタコト中文日記

中国・杭州がえりのライター助手、日々のいろいろ。

中国のマツコ⁉ 名物司会者・金星のこと。

2021-06-07 | 中国 見聞録
中国ネタに興味のない方にはヒジョーに申し訳ない m(__)m。
このブログはボクの備忘録にもなっているので、あしからず。

***
名物司会者・金星(じんしん)のこと

杭州にいる時にもここで触れたことがあるが。
中国のバラエティ番組で忘れられない女性司会者がいる。
「女性⁉︎」。
今は女性だが昔は男だったらしい。もともと舞踏家として海外で活躍した経歴を持つ、トランスジェンダーの金星(じんしん)だ。みんなには金姐(じんじえ:金ねえさん)と呼ばれている。
彼女はボクが中国杭州にいた2015-2017年頃、テレビで活躍していた。

▪︎毒舌がウリの軽妙なトーク。
▪︎旬のスターたちの懐にもするりと入り込んでしまう巧みなインタビュー。

とても早口なので殆ど聞き取れないが(中国語字幕を追っても、理解できてるのは半分くらいか?)。
その話術は見ていてちっとも嫌味がなく、胸がスカッとするような痛快さがあった。
そして本職のダンスはもちろん、コントも演技も難なくこなす。

日本でいうと誰だろう? マツコ・デラックスとカルーセル麻紀と上沼恵美子と黒柳徹子と・・・色んな人をドッキングさせてもまだ及ばない⁉︎
とにかく頭の回転が速くて多彩な人だ。

当時、金星の冠番組は2つあった。(いずれもテレビ局は上海卫视。 卫视とは衛星テレビのこと)
まずは、
)「金星秀」(じんしんショー)。

これは脱口秀(トークショー)、いわゆるトーク番組。
番組冒頭、金星の相方(アシスタント)の男性タレント沈南とその日のテーマに関係する小芝居を披露した後に、トークが始まる。

金星は最近遭遇した出来事や、旬の話題についてのトーク&持論を展開する。




一人語りといえば、かつて「NEWS23」のなかで筑紫哲也氏の「多事争論」があったが。金星の場合は政治の話はなく、庶民の生活に密着した話題、また業界の裏話などを笑い話にして披露する。(詳細が聞きとれず残念しきり…でも今の中国が少しわかっておもちろいのら)
相方のタレント、芸人?である沈南(中央)

トークの最中、相方の沈南が合いの手を入れたり、ボケたりして場を和ませる。

このメイン部分だけ、後になって杭州のFMラジオで流れたりしていた。
それ自体が「喋るコラム」というか漫談というか、一つの作品なのだ。
それだけ彼女のトークは価値があり、大衆の人気を得ていたのである。
(イメージはこちら ↓)

《金星秀》第125期:“私人空间”那些事 The Jinxing show 1080p 官方干净版

まさか中国で禁止されているYouTubeにアップされているとは。(最近知りました)

★「金星時間」:
番組後半に「金星時間」という明星(スター)のインタビューコーナーがあった。
これがおもしろいったら。ゲストは映画スターや監督さん、ドラマで話題の俳優など。
プライベートや恋人についての突っ込んだ質問もゲストは嫌がらずに答える。
ゲストは金星のことを金姐(金ねえさん)と親しげに呼ぶ。

(下の動画は、ドラマ・映画で活躍中の黄轩-ホアン・シュエンがゲストの回 ↓)

《金星时间》第20170329期:黄轩澄清跨国恋情 自曝演艺之路多坎坷【东方卫视官方超清】

彼ももとはダンサー、舞踏学校を出てるから、金姐と相通ずるものがあるかも。

徐静蕾(かつて”中国の松嶋菜々子”と言われた人気女優)の回もおもしろかった 。
 ↓
《金星时间》第20170322期:徐静蕾回顾演艺道路 自爆父亲对自己产生童年阴影【东方卫视官方超清】

長年結婚せずにいるうわさの恋人(俳優で歌手の黄立行)とのことを聞かれてもたじろがない姿が印象的だった。
今や映画監督でもある彼女。

★印象深い番組スタイル:
①中国のバラエティ番組では番組冒頭、司会者が大大的にスポンサー企業や商品を紹介。これでもか!というくらい強調する。
(日本でも昔はそうだった気がする。例えば「素人名人会」でアシスタントが盛んに“エビオス”をPRしていた記憶が...)

金星の場合もー 彼女が登場するやいなや、メインスポンサー「超能」(日本でいうライオンや花王のような会社)の洗剤のキャッチフレーズを連呼しながら、番組名を言うのだ。
こんなふうに・・・
「超能女人用超能洗衣机・・・」(超できる女は、超できる洗剤を使う・・・とかなんとか)、ちょっと早口すぎて正確には聞きとれない(><)。

スタジオのお客さんも楽しそう。

特徴その2

②トークがひと区切りするたび、金星のすぐ後ろにいる生バンド(ギター、ドラム、鍵盤)が短く演奏する。
まるでFMラジオのジングルのような役割か。ちょっとジャズっぽい音楽だ。これは臨場感があって楽しい。

金姐の後ろにバンドが控える。

***
長々とごめんちゃい!
つづいて金姐司会の2つめの番組を紹介。

)「今夜百乐门」(今夜はゴールデンナイト)。

同じく上海卫视の番組。おそらく「金星秀」の成功を受け、よりエンタメ性の高い番組を企画したのであろう。

こちらはいきなり生バンドの演奏と、金姐&レギュラー陣のダンスで幕が開く。

にぎやかなオープニングの最後にその日のゲストがド派手に登場↓

初回から中国を代表する二枚目俳優・黄晓明(ホアン・シャオミン)が登場。

おどけた自己紹介する黄晓明,しかし…


イケメンにコメディはちょいと無理あるね。

また、ある日のゲストはかつての香港四天王の1人、黎明(レオン・ライ)だったり。台湾偶像剧(アイドルドラマ)の人気女優・林依晨(アリエル・リン)も登場した。


番組の中心はひたすらお笑い、コメディ芝居だ。吉本新喜劇さながら。

カフェのウェイターに扮する黄さん↑
女性陣はレギュラー芸人たち。

数分の小芝居が終わるやいなや、さっきの番組よりもずっと豪華な生バンドの演奏が始まり、場面展開が行われる(わさわさとスタジオ移動)。
金星ら出演者がカツラや衣装を着替えるなど“早変わり”している様子も隠さず、カメラが追う。

小芝居は10場面近くあり、そのうちのいくつかにはゲストも参戦。
黄晓明は女装して故郷・青島の自分の母親役に扮したりも。
また黎明(レオン・ライ)はコントのなかで「かつての四天王のなかでは一番仕事がない」といじられたり。また、若い頃の主演映画「ラブソング」のパロディをやらされたり。
見ているこっちがハラハラするほどのギリギリの演出、これがもうたまらなく楽しかった。

スタジオで“バンドが生演奏“という趣向は、かつて日本にもあったな~と「シャボン玉ホリデー」や「夢であいましょう」(←これは古すぎてリアルには見てない)を懐かしく思い出した。

では最後に、黎明(レオン・ライ)が出演した回の楽しすぎるオープニングを。
 ↓
《今夜百乐门》第12期出场秀:黎明自黑四大天王“最差” 吐槽郭富城秀恩爱【东方卫视官方超清】

スターを前にして、なんでもあり!って感じがいいっしよ? ( ◠‿◠ )


***
当時、誰もが彼女の才能を認めていた。
ボクがお世話になった同じマンションの”安おじさん”も「金星、彼女は才女だ」と言っていた。

だが残念なことに・・ある時ぱったり、金星はテレビから消えた。謎の放送終了だった。
彼女の辛口トークが共産党の逆鱗に触れたのか? そのへんはよくわからない。
こんな記事も)

金姐は今どうしているのだろう。本職のダンサーに戻ったのか?
それとも夫ハンス(ドイツ人)や子どもたち(養子がいるらしい)との日々を楽しんでいるのか。

あの頃、異国でひとり寂しい夜に、偶然あなたの番組に出会えたことはラッキーだった、本当にありガトー!
金姐,感谢您! 我忘不了您( ;  ; )
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2 コメント

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Unknown (龍井茶)
2021-06-08 20:44:52
あま殿こんにちは。
金姐はのことは知りませんでしたが、政府公認のLGBT第一号だとか。なのに消えたとは、やはりなにか踏んづけたんでしょうねえ。
趙本山も春晩から消えたとは。映画にも出ていた人なのに。范冰冰も消えたままですし。日本の"なんとか事務所"など比較にもならない中国の恐ろしさですね。
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Unknown (あまちゃん)
2021-06-09 17:13:34
龍井茶さま、コメントありガトーショコラ!
政府公認っていうのがあるんですか(-_-;)
振り返れば、金姐の活躍もほんの一瞬だったのですね。
杭州出身に本拠を置くアリババの马云(ジャック・マー)も独禁法違反か何かで莫大なお金を払わされたり・・・ワケわかりません。
ボクもかの地で(写真撮りまくってたし)スパイ容疑で捕まらなかっただけ、よしとしましょう、、。
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