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「あがり(お茶)」について考える

2010-07-02 10:51:32 | 雑学・豆知識・うんちく・小ネタ

お茶のことを「あがり」といえば寿司屋の言葉と思いますが、これはもともと遊廓で使われた廓(くるわ)言葉の一つだったのです。

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昔、お茶の葉は粗製のままのものを買い、自家の茶臼で挽いていました。このお茶を挽く仕事Photo_5は遊廓ではその日売れ残った遊女の仕事でした。

  そこで売れ残りを「お茶ひき」と言うようになり、お呼びのかかった遊女は、「おあがりさん」と言ってお座敷にあがることができました。このことから「お茶」という言葉は、売れ残りを指す縁起の悪い言葉であると捉えられたのです。(すり鉢のことを、あたり鉢というのと同じです。)

 遊廓では、客が部屋へ上がると、すぐにお茶を出しました。上がった端(はな)から出すので、このお茶のことを「上がり花」と洒落て言うようになりました。

 この「上がり花」を略して「あがり」とよばれるようになったのです。

 これが、遊廓の囲いを出て、寿司屋をはじめ、飲食店で使われるようになったのです。

Photo_2

 遊廓は、1585年(天象17年)、豊臣秀吉が京都二条柳橋に遊里を許可してから、1958年 (Photo_6昭和33年)、赤線が廃止されるまで370年余りも続いたのです。

  私の住む町は、昔「赤いダイヤ」といわれた小豆の生産が盛んで景気がよく、遊廓がありました。廃止後は、遊廓のあった界隈を「親不孝通り」などといっていました。正業に戻れない女性が客を引いていたのです。

廃屋となった遊廓は私が大人になってからも残っていました。格子のついた窓は牢屋のようにも見えました。女郎屋(女牢屋)とは偶然でしょうか?

 なお、今来たばかりのお客様に出すお茶は、「おでばな」、帰りの客に出すお茶は、「あがり」というのが正しいという説がありますが、間違いです。

語源が「上がり端」ですから「おでばな」も同じ意味になります。すごろくなどの「あがり」と混同したものと思われます。Photo_3

  「あがり」のほかにも、「おてもと(箸)」「やりて(客と花魁を取り持つ年配女性)」「ひけ(花魁の終業時刻)」などの廓言葉が日本語の中に受け継がれています。

 蛇足ですが、何故、廓言葉が誕生したかというと、地方出身の女性の訛りを隠すためなのです。悲しい意味があるのです。

 上品ぶって、「おてもと」などという人は本当の意味を知らないのです。「お箸」と言ったほうがいいのです。

 「あの人は、やりてだね。」というのは決して褒め言葉ではないのです。裏の意味を込めて言う、陰口なのです。

したっけ。

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1 コメント

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そうそう、邪まな目でものを言う (みゆきママちゃん)
2010-07-02 15:17:42
そうそう、邪まな目でものを言う
あの子は、そうとうな、やり手だよ
悪意がこもってますね
何も出来ない、負け犬の遠吠えにも聞こえます
私は絶対に使いたくない言葉だもん(*^^*ゞ
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