「新しい本は古い本を読むのを邪魔するために出る。」
山本夏彦さん(1915-2002)の「本が出すぎる」というタイトルが付いたコラムの一節です。
同じコラムの中で、
「人間の知恵は諸子百家に、ギリシャローマに尽きている。けれども同じことでも同時代人が同時代を例にとって書いたものを読むのはまた格別である。だから本は出てもいい。読みたければ読むがいい」と言いつつ、「この現状は狂気である。足の踏み場もない。これでは版元も取次も近くつぶれる」と断じておられます。
「新しいものはすぐ腐る(奇をてらってもじきあきられる)」ということもあり、値段の高い新刊書を慌てて買い求めることがめっきり少なくなりました。じっくり読むに値する程の書物であるならば、文庫本になって出てきた後で読んでも遅くはないような気がします。
戦後生まれには取り付きにくい「古典」を現代に甦らせてくれる古い世代の作家が何人かおられるのは有り難いことです。最近は、その方々の助けを借りて、専ら「古典」に親しんでいます。
山本夏彦さん(1915-2002)の「本が出すぎる」というタイトルが付いたコラムの一節です。
同じコラムの中で、
「人間の知恵は諸子百家に、ギリシャローマに尽きている。けれども同じことでも同時代人が同時代を例にとって書いたものを読むのはまた格別である。だから本は出てもいい。読みたければ読むがいい」と言いつつ、「この現状は狂気である。足の踏み場もない。これでは版元も取次も近くつぶれる」と断じておられます。
「新しいものはすぐ腐る(奇をてらってもじきあきられる)」ということもあり、値段の高い新刊書を慌てて買い求めることがめっきり少なくなりました。じっくり読むに値する程の書物であるならば、文庫本になって出てきた後で読んでも遅くはないような気がします。
戦後生まれには取り付きにくい「古典」を現代に甦らせてくれる古い世代の作家が何人かおられるのは有り難いことです。最近は、その方々の助けを借りて、専ら「古典」に親しんでいます。