
今日の「 お気に入り 」は 、最近読んだ本の中から
書き留めた 文章 。
引用はじめ 。
「 すべての人間が幸せになれることなど 、この世には 、
きっとありはしないのだ 。誰かの幸せの陰には 、必ず
誰かの不幸せがある 。幸せというものの多くは 、たい
ていどこか歪んでいる 。 」
( 朱川湊人著 「 妖精生物 」文春文庫 )
「 ・・・ 人生には 、五十年一緒にいるよりも 、ずっと
心に残る短い出会いもある 。むしろ短いからこそ 、そ
の印象が深く鮮烈に心に刻まれるのかもしれない 。 」
( 朱川湊人著 「 凍蝶 (いてちょう) 」文春文庫 )
引用おわり 。
「 ノスタルジックホラー 」と呼ばれるジャンルに入るらし
い小説六篇 ( 「 トカビの夜 」「 妖精生物 」「 摩訶不思議 」
「 花まんま 」「 送りん婆 」「 凍蝶 」 ) を読んだ 。
それぞれに面白いと言えば面白いが 、元々 、ホラー小説
は余り得意ではない 。強いて一篇えらぶとすれば「 送りん
婆 」 。「 オクリンバァ 」と読むらしい 。
六篇とも 、昭和三十年代 、四十年代の大阪の下町が主な舞
台 。自分が幼かったころの大阪の雰囲気を感じることが出来
たのは大収穫 。久し振りに「 ベッタン( 東京でいうメンコ )」
や「 すかんタコ 」なる 、その昔 、耳にしたことがある言葉
を 目にした 。
作中の「 小玉スイカが入っているような胸元に目を落としな
がら 」という一節を読んで 、森鴎外の「 ヰタ・セクスアリス 」
を思い出したのは 、どういう連想なんだろうか 、よくわから
ない 。
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