今日の「お気に入り」。
「 人間は『未熟児』として生まれてきます。だから、人に依存しないと生きていけない。成長するまでの
長い依存状態が、人間に様々な問題を生じさせる。『ものぐさ精神分析』という本の中で、岸田秀(しゅう)
氏が書いておられるところです。
子馬は生まれて一週間もすると、自分の足で立ち上がる。他の動物も、自分で餌を探すことが出来るように
なると、親から離れていきます。親離れ子離れ何てことが問題になるのは、人間だけなのです。
親の作った環境、親からの遺伝、親の人生からの影響、人間だけが、あまりにも多くのものを親から受け継
いでしまいます。『ハネムーンのベッドには、六人の人間がいる』。ヨーロッパの諺が意味しているのも、
そのことです。
親子の問題は、他人にはなかなか分かってもらえません。」
(鎌田敏夫著「来て!見て!感じて!」海竜社刊 所収)