今日の「お気に入り」は、中野孝次さん(1925-2004)の著書「ローマの哲人 セネカの言葉」より。
「 ある種のものは、いくら前より量が増大しても本来のその性質と特性を変えない。が、別のある種の
ものは、多くの増大を重ねたあとの最後の一つの追加が、全体に変化をひき起し、新しい、前のとはぜ
んぜん違う性質をもたらすことがあります。例えばたった一つの要石が、両側に弓形に湾曲している翼
のあいだに楔(くさび)としてさしこまれると、その挿入一つによって、丸天井のアーチ全体を支える。
ほんの小さなものなのに、なぜこの最後の追加がかくも大きな効果を上げるのか? それは、足されて
増えたのでなく、その石が全体を完成させたからです。
『手紙』118-16」
( 中野孝次著「ローマの哲人 セネカの言葉」岩波書店刊 所収 )
「 ある種のものは、いくら前より量が増大しても本来のその性質と特性を変えない。が、別のある種の
ものは、多くの増大を重ねたあとの最後の一つの追加が、全体に変化をひき起し、新しい、前のとはぜ
んぜん違う性質をもたらすことがあります。例えばたった一つの要石が、両側に弓形に湾曲している翼
のあいだに楔(くさび)としてさしこまれると、その挿入一つによって、丸天井のアーチ全体を支える。
ほんの小さなものなのに、なぜこの最後の追加がかくも大きな効果を上げるのか? それは、足されて
増えたのでなく、その石が全体を完成させたからです。
『手紙』118-16」
( 中野孝次著「ローマの哲人 セネカの言葉」岩波書店刊 所収 )