坪内正人Blog

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新三種の神器

2006-04-21 22:20:36 | 日々感じること・つれづれなるままに
 薄型テレビ、DVDプレイヤー、デジタルカメラを「新三種の神器」と呼ぶのだそうですね。

 確かに、これらのAV機器がよく売れているからでしょうが、
「三種の神器」という呼び方は高度経済成長と、そして天皇制をひきずっていると思うのですがいかがでしょうか。


 なぜなら、かつては好景気のことを「神武」とか「岩戸」、「いざなぎ」と呼んでいましたよね。いずれも戦後の好景気であり、高度経済成長期におけるものでした。こうした好景気のありがたさに、象徴天皇制が浸透していったのでしょうか。


 古いほうの「三種の神器」は、ご存知の洗濯機、冷蔵庫、テレビで、神武景気のころですね。この時代に人々がほしがった商品は、ほかに真空掃除機、ミキサー、電話、トースターといったものがあります。

 テレビは昭和34年に大変よく売れたそうです。その4月、今の天皇である皇太子がご結婚され、その模様がテレビ中継されたからでしょう。
 戦争の陰のないプリンスが、テレビの普及に貢献されたというのは、日本の戦後の象徴のように思います。

 もっともこの時代にも、人々があこがれる三点セットがあって、カー・クーラー・カラーテレビがそれで、3Cと呼ばれました。「三種の神器」という呼び方よりカジュアルなのは、それほど手に入れるのは難しくないと思われたからでしょう。


 今、この時代に「三種の神器」という言葉が復活した理由を考えますと、あまりにも長く不況が続いたので、好景気の復活を呪術的な器物の呼称に託したくなったのでしょうか。



 いずれにせよ、私は、商品自体に、往年のように庶民の切実な憧れを喚起する力はないように思いますが・・・・みなさまいかがでしょうか。