「ラッキー!」「ハッピー!」「オッケー!」

毎日「ついてる♪ついてる♪」って思うようにしています。みんなの一日も、ラッキーでハッピーな一日でありますように。

昨日の続き

2007-11-02 | その他
ちなみに一昨日見た再放送の「トルコとクルド 2つの思い」の番組は
トルコ軍、クルド人それぞれの現状を伝えていました。

クルド人は国を持ったことのない民族で、トルコ、イラン、イラク、シリアの
大体4カ国に分散しているのですが、番組の冒頭
トルコに住むクルド人は長い歴史の中、ずっと差別を受け生活してきたことを
伝えています。
クルド人というだけで、まともな仕事につけない、家を借りられない etc.


ところがトルコに住むクルド人にとっての朗報は、
フセイン政権崩壊後、アメリカ軍によりイラク北部にクルド自治政府が開かれたこと。

トルコ国内でも同様にとの気運が高まっているのです。
それを引っ張っているのが、PKKと呼ばれる
クルド独立運動を行うゲリラ組織で、トルコ・イラク国境付近でトルコへ
攻撃を加えているのです。

番組のなかでは、トルコ政府軍に従軍し、PKKの攻撃で命を落とした20歳の青年の実家を訪れています。

両親の嘆き、悲しみはストレートに伝わってきて、同じ子どもを持つ親として
とてもつらいです。
40歳の母親は天を仰ぎ、「この悲しみから耐える力を授けてください。」
と言う顔は、正直とても老けていて、せつない。

その後映像は、かつてPKKに参加したクルド人の男性を訪ねています。
彼の故郷はある日突然、PKKへの関与の疑いがないかの調査という名目上
トルコ軍に村を焼かれてしまったのですが、
やりばのない気持ちはPKKへの志願という形しか考えられず、
高2でPKKへ志願してしまいます。
ところが、彼の後を追い婚約者もPKKに参加することに。
彼は、山を下りるよう(脱退)を進めたが、彼女は拒み
まもなく戦闘でトルコ軍により命を落としてしまいました。
自分のせいで婚約者を失った彼は、結局PKKをその後離れ、
今は、子ども達にクルドの文化・伝統を伝えることをしています。

彼のところには、若いクルド人がたびたび訪れ、PKKに参加するべきがどうか
相談しにくると、彼は人を殺すことが独立を勝ち取れる方法ではないと諭します。
が、自分の親族がPKKに参加していて、自分の所在がないのだと若者は言う。

一方では、国境警備強化により
若いトルコ兵が周りの人々に激励されて、国境へ送り出されていくシーンが。
命を落とさないという保障がないのに。


PKKのゲリラ活動が強くなったことで、トルコ軍は国境を越え
クルド自治エリアへの侵攻を検討し始めているという話を聞くと
気持ちがよどみます。

歴史が長くて、どちらが悪いとは判断できないし。
ただ、はっきりしているのは
双方ともに命を落とした人のことを嘆き、悲しみ
そしてその相手を憎んでいること。
でも、自分の身近な人を、失った悲しみを戦いという形でしか
表せないのであるのなら
永遠に途切れることがないのではと途方にくれます。

そして、歴史の中ではなく今もどこかで悲しい血が流れているのです。