(以下、nikkei WOMAN Onlineから一部抜粋
『 Facebookの実験で分かったネガティブ/ポジティブ・コンテンツが私たちに与える影響
■悪口を言うと老化を早める?
みなさんは、イライラや不安などのネガティブな感情が生まれたら、どう対処していますか? たとえば好きではない人がいたとして、その場で怒りの感情を表してしまう? あとでその人の悪口や愚痴を言ってスッキリ!!する? これ、両方とも本当にスッキリすると思いますか? なんとなく後味、悪くないですか? 実は、悪口やネガティブな言葉は自分の脳にもネガティブなメッセージを伝えてしまうため、それが続くとやはりマイナスのストレスとなって、脳細胞が減ってしまう、という研究があります。
ネガティブであれ、ポジティブであれ、感情を生み出すのは脳です。脳はストレスや不安を感じていると、コルチゾールという、いわゆるストレスホルモンが放出されてダメージを受けてしまいます。逆に、よい刺激を与えてどんどん活用することで、活発にはたらくようになります。
英国の認知神経学者マグアイア博士が2000年に発表した研究によると、ロンドンのタクシー運転手16人を対象にMRIで脳の構造を調べたところ、彼らは一般の人たちよりも脳の海馬(記憶を司る部分)が大きいことがわかりました。しかも、ベテランになればなるほど海馬は大きくなり、神経細胞の数が増えていたのです。彼らは、ロンドン市内の2万4000もの通りや建物などを全て記憶しており、日常的に膨大な情報を収集・記憶し、それをまた活用することで脳を刺激しているのです。
脳の神経細胞は17歳頃をピークに、毎日10万個も死んでしまうと言われ、長い間、死んでしまった神経細胞は増やせないと考えられてきました。しかし、このような研究が重ねられることによって、今では「脳の神経細胞は何歳になっても増やせる」ことが新たな常識となりました。
同じことでも面白がってやるか、イヤイヤやるかで、脳に与える影響は異なる。 マグアイア博士は、マウスを使った興味深い研究も発表しています。マウスの大好きなハシゴや回り車などの遊び道具を入れた飼育箱と、全く入れない飼育箱に分けてそれぞれマウスを飼育したところ、前者のほうが、海馬の神経細胞の数が15%も多く、学習能力にも差が認められたというのです。
好きなことを本当に楽しんでやるからこそ、脳は育ちます。僕たち人間も同じ。いくら「アンチエイジングに役立つ」「健康によい」からといって、イヤイヤやっていたのでは、かえってストレスになるだけなのです。まずは、好奇心をもって何事も面白がること。面白くなくても「面白い」と自分で自分の脳をだまします。すると脳はけっこう簡単にだまされて、「面白い」と感じるようになります。そして、好きなことをどんどん楽しみ、たくさん感動する。それがポジティブな感情を生む刺激となり、脳のアンチエイジングにもなる好循環につながります。他人の悪口は結局自分を老けさせるだけ! 脳にはもっとよい刺激をたくさん与えましょう。
■感情や気分は伝染する
ところで、自分はごきげんだったのに、友だちから悪口や愚痴を聞かされただけで、なんとなく嫌な気分になったことはないでしょうか?
Facebookが行った実験で、約70万人のユーザーを抽出し、ニュースフィードを操作して、ポジティブな言葉を含む投稿を減らした場合と、ネガティブな言葉を含む投稿を減らした場合、どうなるかを調べた実験があります。
その結果、ポジティブなコンテンツの表示を減らされたユーザーのアップデートの多くにネガティブな言葉が含まれ、ネガティブなコンテンツの表示を減らされたユーザーのアップデートにはポジティブな言葉が多く含まれていました。この実験は、ユーザーに無断で行われたことで物議を醸し、後に謝罪があったそうですが、「人の感情や気分は周囲に伝染する」ということがSNS上で確かめられました。
日頃、僕たちはさまざまな情報や周りの感情に晒され、影響を受けています。確かに戦争や殺人事件などの悲惨なニュースを見たときは嫌な気分になるし、ハッピーなニュースを聞いて心が温かくなったりしますね。
裏を返せば、ニュースを見るときは漠然と情報を受けとるのではなく、悪いニュースなら「今はネガティブな情報を与えられているんだ」、いいニュースのときは「ポジティブになるんだ」と“意識すること”が大切です。他人の感情や周りの情報に振り回されずに、意識して感情をコントロールすること。種類も質も、信憑性も、さまざまな情報が溢れている時代だからこそ、これはとても大事なことだと思います。
■ごきげんな人に会いに行こう
毎日、何を食べるかとか、どんな服を着るかについては気を遣っていても、「どんな情報を得るか」「どんな感情を持つか」といったことはあまり考えないのではないでしょうか。でも、テレビ番組や本、映画などの選び方一つで、僕たちの心(脳)への影響は変わってきますし、自らコントロールしていける部分もあるのです。
感情を適度に表に出すのはいいですが、イライラや不安を抑えられず、過度に振り回されるのは考えものですね。賢い働き女子の皆さんには、感情を冷静にコントロールできる、凛とした女性をめざしていただきたいと思います。感情コントロールにはある程度のスキルが必要です。今、自分がどんな感情でいるか、意識することから始めてみましょう。
そして、感情は伝染していきます。あなたが幸せなら周りの人も幸せになるし、ごきげんな人の周りにはごきげんな人が集まることもわかっています。だから、「どんな人と一緒にいるか」もとても大切。ごきげんな人に積極的に会いにいきましょう! 』
『 Facebookの実験で分かったネガティブ/ポジティブ・コンテンツが私たちに与える影響
■悪口を言うと老化を早める?
みなさんは、イライラや不安などのネガティブな感情が生まれたら、どう対処していますか? たとえば好きではない人がいたとして、その場で怒りの感情を表してしまう? あとでその人の悪口や愚痴を言ってスッキリ!!する? これ、両方とも本当にスッキリすると思いますか? なんとなく後味、悪くないですか? 実は、悪口やネガティブな言葉は自分の脳にもネガティブなメッセージを伝えてしまうため、それが続くとやはりマイナスのストレスとなって、脳細胞が減ってしまう、という研究があります。
ネガティブであれ、ポジティブであれ、感情を生み出すのは脳です。脳はストレスや不安を感じていると、コルチゾールという、いわゆるストレスホルモンが放出されてダメージを受けてしまいます。逆に、よい刺激を与えてどんどん活用することで、活発にはたらくようになります。
英国の認知神経学者マグアイア博士が2000年に発表した研究によると、ロンドンのタクシー運転手16人を対象にMRIで脳の構造を調べたところ、彼らは一般の人たちよりも脳の海馬(記憶を司る部分)が大きいことがわかりました。しかも、ベテランになればなるほど海馬は大きくなり、神経細胞の数が増えていたのです。彼らは、ロンドン市内の2万4000もの通りや建物などを全て記憶しており、日常的に膨大な情報を収集・記憶し、それをまた活用することで脳を刺激しているのです。
脳の神経細胞は17歳頃をピークに、毎日10万個も死んでしまうと言われ、長い間、死んでしまった神経細胞は増やせないと考えられてきました。しかし、このような研究が重ねられることによって、今では「脳の神経細胞は何歳になっても増やせる」ことが新たな常識となりました。
同じことでも面白がってやるか、イヤイヤやるかで、脳に与える影響は異なる。 マグアイア博士は、マウスを使った興味深い研究も発表しています。マウスの大好きなハシゴや回り車などの遊び道具を入れた飼育箱と、全く入れない飼育箱に分けてそれぞれマウスを飼育したところ、前者のほうが、海馬の神経細胞の数が15%も多く、学習能力にも差が認められたというのです。
好きなことを本当に楽しんでやるからこそ、脳は育ちます。僕たち人間も同じ。いくら「アンチエイジングに役立つ」「健康によい」からといって、イヤイヤやっていたのでは、かえってストレスになるだけなのです。まずは、好奇心をもって何事も面白がること。面白くなくても「面白い」と自分で自分の脳をだまします。すると脳はけっこう簡単にだまされて、「面白い」と感じるようになります。そして、好きなことをどんどん楽しみ、たくさん感動する。それがポジティブな感情を生む刺激となり、脳のアンチエイジングにもなる好循環につながります。他人の悪口は結局自分を老けさせるだけ! 脳にはもっとよい刺激をたくさん与えましょう。
■感情や気分は伝染する
ところで、自分はごきげんだったのに、友だちから悪口や愚痴を聞かされただけで、なんとなく嫌な気分になったことはないでしょうか?
Facebookが行った実験で、約70万人のユーザーを抽出し、ニュースフィードを操作して、ポジティブな言葉を含む投稿を減らした場合と、ネガティブな言葉を含む投稿を減らした場合、どうなるかを調べた実験があります。
その結果、ポジティブなコンテンツの表示を減らされたユーザーのアップデートの多くにネガティブな言葉が含まれ、ネガティブなコンテンツの表示を減らされたユーザーのアップデートにはポジティブな言葉が多く含まれていました。この実験は、ユーザーに無断で行われたことで物議を醸し、後に謝罪があったそうですが、「人の感情や気分は周囲に伝染する」ということがSNS上で確かめられました。
日頃、僕たちはさまざまな情報や周りの感情に晒され、影響を受けています。確かに戦争や殺人事件などの悲惨なニュースを見たときは嫌な気分になるし、ハッピーなニュースを聞いて心が温かくなったりしますね。
裏を返せば、ニュースを見るときは漠然と情報を受けとるのではなく、悪いニュースなら「今はネガティブな情報を与えられているんだ」、いいニュースのときは「ポジティブになるんだ」と“意識すること”が大切です。他人の感情や周りの情報に振り回されずに、意識して感情をコントロールすること。種類も質も、信憑性も、さまざまな情報が溢れている時代だからこそ、これはとても大事なことだと思います。
■ごきげんな人に会いに行こう
毎日、何を食べるかとか、どんな服を着るかについては気を遣っていても、「どんな情報を得るか」「どんな感情を持つか」といったことはあまり考えないのではないでしょうか。でも、テレビ番組や本、映画などの選び方一つで、僕たちの心(脳)への影響は変わってきますし、自らコントロールしていける部分もあるのです。
感情を適度に表に出すのはいいですが、イライラや不安を抑えられず、過度に振り回されるのは考えものですね。賢い働き女子の皆さんには、感情を冷静にコントロールできる、凛とした女性をめざしていただきたいと思います。感情コントロールにはある程度のスキルが必要です。今、自分がどんな感情でいるか、意識することから始めてみましょう。
そして、感情は伝染していきます。あなたが幸せなら周りの人も幸せになるし、ごきげんな人の周りにはごきげんな人が集まることもわかっています。だから、「どんな人と一緒にいるか」もとても大切。ごきげんな人に積極的に会いにいきましょう! 』