地味ログ東洋硬化.うろつき雑記

寒い時も暑い時も、寒い場所も暑い場所も、処かまわず神出鬼没な東洋硬化の表面処理を、ポップに語ります。

4月からこっち系外惑星発見発表のペースが速まった件に鑑み

2008年06月27日 08時08分50秒 | 大気圏外ネタ


4月あたりから新たな系外惑星発見発表のペースが早くなってきています。

もはや、一般紙上を賑わす話題でもなく、淡々とデータが積み上がっていく
段階にまで到達しつつあるということか。

--------------------------------------------------------------------

1つの恒星に、3つの「巨大地球」

【2008年6月24日 ESO Science Release】

質量が地球の数倍程度の系外惑星を、欧州の研究チームが相次いで見つけた。
そのうち3つは、同じ1つの恒星を回っている。これまで、系外惑星といえば
木星のような巨大惑星ばかりが発見されてきたが、実際には地球規模の惑星
の方が多く存在していることを、一連の研究は示しているという。

1995年にスイス・ジュネーブ大学のMichel Mayor氏とDidier Queloz氏が初め
て系外惑星を発見して以来、その数は年々増え続け、現在はおよそ300個が知
られている。そのほとんどが、木星や土星のような巨大惑星。統計によれば、
この規模の惑星は14個の恒星につき1個の割合で存在するという。

だが最近、高精度の機器の登場や粘り強い観測が実を結んだ結果として、質
量が地球の数倍程度の小さな惑星(木星の質量は地球の約318倍)が見つか
りはじめた。質量が地球より大きく、天王星や海王星(ともに地球の15倍前
後)より小さな系外惑星は、「スーパー・アース(大きな地球型惑星)」と
呼ばれている。

そのスーパー・アースが、1つの恒星のまわりに3つも見つかるという注目す
べき観測結果が発表された。Mayor氏が率いる欧州の研究チームによれば、そ
の恒星はがか座の方向約42光年の距離にあって太陽よりわずかに軽い
「HD 40307」である。「HD 40307 b」「HD 40307 c」「HD40307 d」の符号が
ついた3つの惑星は、いずれも質量が地球の10倍未満で、太陽系で言えば水
星よりもはるかに内側の軌道を回っている。

惑星の検出には「ドップラー法」が使われた。惑星の回転に伴って中心の恒
星もぶれるため、公転と同じ周期で地球に近づいたり遠ざかったりする。そ
の結果恒星のスペクトルが変動するので、惑星自体は見えなくても存在が確
認できる。これは自分よりはるかに軽い砲丸を振り回すハンマー投げの選手
の体が、軸足を中心に大きく回転していることに例えられる。しかし、
HD 40307の場合、惑星の質量は恒星の10万分の1ほど。「ぶれ」の速度は人間
が走る程度で、天文学的にはあまりに小さい。

研究チームが観測に使用したのは、ヨーロッパ南天天文台(ESO)のラ・シーヤ
天文台3.6メートル望遠鏡に備え付けられた分光器「HARPS」。ドップラー法
による惑星発見のために設計された同装置で、HD 40307は足かけ5年もの間
観測されていた。

同チームはこのほかにも、恒星HD 181433のまわりを9.5日で回るスーパー・
アース(質量は地球の7.5倍)などの発見を発表した。一連の観測により、
質量が地球の30倍(木星の0.1倍)以下で公転周期50日未満の系外惑星候補
が、全部で45個も浮かび上がったという。統計上、3個の恒星につき1個の割
合で、こうした惑星が存在することになる。

「これは明らかに氷山の一角に過ぎません」とMayor氏は指摘する。今回の
ように公転周期が短い惑星は、その分検出しやすいのだ。「すべての恒星に
惑星は存在するのか、存在するとしたら何個ずつなのか? まだ答えはでて
ないかもしれませんが、答えに向かって大きく前進していることは間違いあ
りません」

研究チームの一員でジュネーブ大学のStéphane Udry氏は次のように述べて
いる。「別のタイプの惑星も、まだ多く存在していそうです。スーパー・
アースや海王星程度の質量で、公転周期がもっと長い惑星もあるでしょう。
それだけでなく、いまだ検出できない地球型惑星が潜んでいる可能性も高い
です。すでに知られている木星型惑星たちを加えれば、おのずと惑星は至る
ところに存在する、という結論に行き着くことでしょう」

---------------------------------------------------------------------

2008年4月以降の2箇月半ほどの期間に新たに発見された系外惑星に
ついて下にまとめてみました。

名称  太陽系からの距離(光年) 恒星種 公転周期(年) 質量(地球比)  発見日
WASP6 b ------ 1000 --------- G8 ---- 0.00920 ------- 100 -- 2008 April 1
WASP7 b ------- 490 --------- F6 ---- 0.0136 -------- 440 -- 2008 April 1
WASP8 b ------- 160 --------- G6 ---- 0.0793 ------- 不明 -- 2008 April 1
WASP9 b ------- 490 --------- G0 ---- 0.0311 ------- 不明 -- 2008 April 1
WASP10 b ------ 300 --------- K5 ---- 0.0605 -------- 995 -- 2008 April 1
WASP11 b ------ 290 --------- K3 ---- 0.047 --------- 150 -- 2008 April 1
WASP12 b ------ 870 --------- G0 ---- 0.027 --------- 356 -- 2008 April 1
WASP13 b ------ 509 --------- F9 ---- 0.0522 -------- 120 -- 2008 April 1
WASP14 b ------ 571 --------- F5 ---- 0.0335 ------- 2470 -- 2008 April 1
WASP15 b ----- 1000 --------- F5 ---- 0.0472 ------- 不明 -- 2008 April 1
Corot Exo4 b - 不明 --------- F0V --- 0.025194 ------ 230 -- 2008 May 19
Corot Exo5 b - 不明 --------- F9V --- 0.01 -----------270 -- 2008 May 19
GSC02959-00729 b
--------------- 880 --------- G8V --- 0.0114654 ----- 366 -- 2008 May 19
HD102272 b --- 1200 --------- K2V --- 0.3493 ------- 1900 -- 2008 June 16
HD102272 c --- 1200 --------- K2V --- 1.4 ----------- 830 -- 2008 June 16
HD40307 b ------ 42 --------- K2.5V - 0.0118 ------- 4.20 -- 2008 June 16
HD40307 c ------ 42 --------- K2.5V - 0.0263 --------6.87 -- 2008 June 16
HD40307 d ------ 42 --------- K2.5V - 0.05599 -------9.15 -- 2008 June 16
HD47186 b ----- 120 --------- G6V --- 0.0112 ------- 22.8 -- 2008 June 16
HD47186 c ----- 120 --------- G6V --- 3.707 ----------110 -- 2008 June 16
HD181433 b ----- 85 ----------K3 ---- 0.0257 --------7.56 -- 2008 June 16
HD181433 c ----- 85 ----------K3 ---- 2.804 ----------230 -- 2008 June 16

7~80日間で22個の発見が発表されておりまして、これはこれですごい
ペースであると言えます。

表中で最も興味深い惑星系は、記事にもあった「HD40307」系です。我らが
太陽より、やや暗い恒星の周りに3個の惑星が見つかったわけですが、その
有り様と言うと、一番内側を周る「b」は4.3日で公転し、地球の4.2倍の質
量を持つ惑星。次の「c」は9.6日で公転し、地球の6.87倍の質量を持つ惑星。
今の処この惑星系の最も外側を周っているとされる「d」は20.45日で公転し、
地球の9.15倍の質量を持つ惑星です。

太陽よりほんの少し小さな恒星の極く近く(水星軌道よりはるかに中心星に
近い)を、これら小さな惑星たちがコマネズミの様にクルクルと猛スピード
で周回している様子が見て取れます。おそらくこの3個の惑星の外側には
未だ発見されていない惑星が複数潜んでいる可能性はかなり高いものと考え
られますし、いずれこの惑星系の全容が明らかになった暁には、「比較的
軽量な惑星ばかりで構成された惑星系の成立ちについて」議論されるネタと
なる可能性のある惑星系かと思われます。

ちなみに「b」の質量は、2008年6月現在、系外惑星史上最軽量です。勿論、
ガス惑星ではなく固い地表を持った岩石惑星です。ただし、中心星に近過ぎ
る為、地表温度は数百度となっているはずです。



----------------------------------------------------------
● ㈱東洋硬化へのお問い合せは、当社ホームページの「お問い合せ」欄、
   または、TEL:0942-34-1387  FAX:0942-36-0520
   所在地:福岡県久留米市津福本町1978-1 へお願い致します。

● シリンダーロッド・シャフト・ピストン・フロントフォークインナーチューブ
    ・ロール等円筒形状機械部品のクロムめっき再生(クロムメッキと
   全部カタカナ書きするのではなく「クロムめっき」または「クロム鍍金」
   と書くのが日本語的には正解)が得意です。

● 窒化クロム・窒化チタンアルミ・酸化クロム・窒化チタンクロム・
    窒化チタン他、各種高硬質被膜をアークイオンプレーティング
    生成します。
● 無電解ニッケル-リンめっきの軽金属上への析出、他被膜との積層処理
    可能です。被膜の付加価値向上にお役立て下さい。

● ローター・ファン・クランクシャフト等のバランシング(回転体釣合せ)
● ラジアルクラウン研削を始めとした円筒研削加工や、内面研削・
    平面研削も行います。
 フレーム溶射による、短納期での寸法・形状・機能の復元加工開始
    しました。

-----------------------------------------------------------


人気blogランキングです。押してくださると嬉しいです。






最新の画像もっと見る

コメントを投稿