国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

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大阪ジャズ紀行(最終回) 通天閣とビリケンさんとチャーリー・ヘイデン

2010年10月17日 | マスターの紀行文
ここまで大阪紀行を書いてきたが、全く観光地が出てきていない。
それもそのはずで初日にロリンズコンサートの前に
ちらっと大阪城を見ただけで、あとは観光地に足を運んでいないのだ。
でも、2日目にかならず行きたい場所があった。
それが通天閣である。

大阪といえば通天閣、というわけではないが、どうしても僕は通天閣に行きたかった。
「ビリケンさん」という神様が祭られているからだ。
アメリカの芸術家フローレンス・プリッツという女性が夢に見た神様で
なんと言えない愛嬌のある顔をしている。
そしてその足を触ると幸運に恵まれるという。
僕はどうしてもその足に触れてみたかったのだ。

ところが2日目はチェックアウトギリギリまでの寝坊から始まる。
朝食も取らずに慌ててホテルを出て、地下鉄で天王寺方向へと向かう。
とにかく時間ロスが大きすぎて、
でも「ビリケンさん」だけは絶対見たくて混乱をしながらも新世界へと到着。
これがまた不思議なほど雑多な街だった。
懐かしの昭和の雰囲気を引きずりながらも、どこか中国的な大雑把さと猥雑さ。
タイムスリップと言うよりも、不思議な文化の融合した街と言えるだろう。
そんな街だからこそ「ビリケンさん」のような不思議な神様が
祭られているのかもしれない。

東京タワーに一度しか登ったことがない僕にとって、
初めての大阪でタワーに登るのはこれまた奇妙な心持ちだ。
しかもそのタワーで1時間も待たなくてはいけないとは……
ようやく「ビリケンさん」に出会ってみると、その足はぼこっと大きくへこんでいた。
誰も彼も足を触りすぎて自然に削られていってしまっているようだ。
この人をくったかのような顔が神様としては面白い。
漫画でマスコットとして出てきていてもおかしくないだろう。

ようやく目的を達成して、「さぁ、今度は道頓堀にでも行こう」と足を使って歩く。
日本橋というまるで秋葉原のような街で、レコード屋を発見してしまった。
今回はそんなつもりは全くなかったのだが、ふらふらっと中へ…
やっぱり入ってみるものだ。
探していたブルーノートの1500円シリーズ
『ジニアス・オブ・モダン・ミュージックVol.2』(セロニアス・モンク)を発見!
2階にはレコードも。
持ち帰るのが大変だからと思いながらも見ていると
チャーリー・ヘイデンの『ゴールデン・ナンバー』のオリジナルが…
気持ち悪いほど黄色いヘイデンの顔に引かれて大阪みやげに。

気づけば残り1時間!
道頓堀も見ることなくとにかく新大阪で急ぐ。
着いたのは15分前で、そこからみやげ物の購入になり、何とか新幹線に間に合った。

次はもうちょっとジャズの街として大阪や兵庫の方まで楽しみたいと思いながらも
帰りはぐっすりと眠って東京へ…

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