国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

大阪食べ物紀行 「まだよ…」と彼女は僕の欲望を見透かしたように言った

2010年10月16日 | マスターの紀行文
「まだです」
慣れた手つきで様子を見た彼女はちらりと僕に視線を向けて言った。
思わず僕は背筋を伸ばして、ぐっと椅子を引いた。
これほどきっぱりと、かつ自然に言われると不思議と抵抗感が無くなる。
「また、声をかけて下さいね」と言い残すと、
彼女はせかせかと行ってしまう。

「待つことも大事だ…」と思いつつも
僕は眼前に広がる光景に我慢が出来なくなってくる。
席には決して大きくない鉄板とソース等々の調味料。
箸袋から出されるのを今か今かと待ち続ける割り箸。
そして熱せられた鉄板の上で水分を蒸発させながら
真ん丸とまるで満月のように焼けていくお好み焼き…
そう、関西といえばお好み焼きだ!

お好み焼きなどお祭りの屋台ぐらいでしか食べない。
あちこちに専門店もあるのだが、
友だちとの飲み会では誰が焼くべきかで躊躇するため
基本的にお好み焼き屋は選ばれない。

「今回の大阪旅行では絶対にお好み焼きを食べよう」と思っていて、
『ムルソー』からホテルへの帰り道で
商店街にあったお好み焼き屋『ゆかり』にふらふらっと吸い込まれるように入った。
そこかしこから関西弁が聞こえる。(当然のことだが…)
そんな関西のお好み焼き屋のルールも知らずに
半端な気持ちで入ってしまって、どうすればいいのかも分からない状況だったのだが
とてつもなく親切に全て店の人がやってくれた。
臆することなくひょいっとひっくり返し、
「また、ひっくり返しますから」と丁寧に形を整えてくれる。
終いには「マヨネーズとソースはどうしますか?」とサービスも上々だ。

これまたやってみたかった炭水化物に炭水化物というごはんも頼み、
一口運べば、ふんわりとした食感と香ばしいソースの匂いが…
思わずご飯も進んでしまう。

大阪名物のひとつお好み焼き、ごちそうさまでした。

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