国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

こういう心焼かれるライブは身体に毒です。でも聴きたくなる…

2010年01月25日 | マスターの独り言(アルバムのこと)
ときどき「この人を聴いてみよう」と思うと
そのジャズミュージシャンに入れ込むことがある。
今、僕が入れ込んでいるはウィントン・ケリーである。

何故ケリーなのか、きっかけはいろいろある。
前号の「ジャズ批評」にウィントン・ケリーの特集が載っていたし、
「いーぐる」で聴いたフィリー・ジョー・ジョーンズの特集で
相性が良かったのがウィントン・ケリーだったしといった具合である。
僕の場合、今まで見向きもしなかった人に突然心奪われることがあるのだ。

では、今日はそんなウィントン・ケリーの入ったアルバムにしよう。
『スモーキン・アット・ザ・ハーフ・ノート
 ウィントン・ケリー・トリオ・アンド・ウエス・モンゴメリー』だ。
この2人はウエスの名盤『フルハウス』でも共演をしているが、
こちらはホーン奏者なしのライブ盤である。

1曲目の「ノー・ブルース」からやってくれる。
とにかくウエスのギターが止まることを知らないほど演奏を加熱させていく。
アーシーでファンキーなウエスのギターに合わせるように
小気味よく跳ねるケリーのピアノ。
自らのソロではベース、ドラムと息を合わせながら、
これまたコッテリとした粘りのあるピアノを聴かせる。
と思えば2曲目の「イフ・ユー・クッド・シー・ミー・ナウ」の
重厚感と軽やかさの絶妙なバランスの上で成り立つ透き通るような美しいピアノのソロ。
その後のウエスの絡みつくようなソロがより引き立つ。
脇を固めるのがベース、ポール・チェンバースとドラム、ジミー・コブである。
当時のマイルス最強サイドメンに
ウエスというジャズギターの王者が加わったのだから悪いはずがない。

ハーフ・ノートは狭いライブハウスだったようだ。
そんな中でこんな燃え上がるような演奏を聴かされたら
興奮して、夜寝れなくなっちまうだろう。