ぶら・のび

自分のために何か楽しいことやってますか?

Show Windowの前で5

2019年09月22日 | Weblog

Show Windowの前で

Part5


「もしもし・・・先日の件ですが・・・明日、彼女と会う約束なんです」

「わかった! ありがとう、遅れないように行く」


「待った〜 ごめんね」

「大丈夫! 僕もさっき来たばかりなんだ」

「じゃ〜この前行けなかった海へ行く?」

「行く! 行く!」

「ちょっとその前に買いたい物があるんだ! ちょっとここで待っててくれる?」

「は〜い! 早くね」

「OK!」


「あまり長く空けると気付かれるんで手短に頼みますよ!」

「わかった! すまないな・・・」


そして俺は彼女が待つエルメスショップへと近づいた・・・

もう頭の中は彼女の事でいっぱい・・・

何とかしてもう一度二人のよりを戻したいと・・・・


「や〜また会ったね!」

「誰れ・・・」

「俺だよ! 本当に忘れたのか?」

彼女は急に怯えながら

「そんな事言われたってごめんなさい・・・本当に貴方の事は知らないんです!」

「君のマンションで朝まで愛し合った事もかい?」

「私が貴方と?  きっとそれは誰かと間違ってるわ! 

だって私、本当に貴方の事なんて知らないんです・・・」

「嘘だ! 本当はわかってるんだろう?」

「本当に知らない! 知らないんだから・・・・キャー誰か・・助けて・・・」

「おい! 何だよそれ・・・嘘だろう? 芝居はやめろよ・・・」


急に人だかりになりかけたので俺は走ってその場を抜け出した


翌日俺はもう一度彼に電話を入れた


「この前は折角段取りしてくれたのにあ〜なっちゃてすまなかったな!」

「も〜どうもこうもありませんよ! 結局デートは中止!

おまけに僕まで疑われちゃいましたよ!」

「すまん!」

「ところでどうだったんですか? ちゃんと聞けたんですか?」

「それがだな・・・知らない、わからないの繰り返し・・・・」

「どうしてそこまで執着するんですか? 女性なら他にもたくさんいるじゃないですか?」

「違うんだよ! あの子は他の女とは全く違うんだ!」

「そうかな〜 僕にはわからないけど・・・普通の女の人だと思うけどな〜」

「そうだ! 彼女、昔記憶喪失にかかった?とか 言ってなかった?」

「記憶喪失? いや〜そんなの聞いた事ないですよ・・・だって会うのまだ2回目ですよ」

「ん〜何故だろう・・・」

「もういいでしょ! 僕も今度、彼女といつ会えれかわからないし・・・」

「本当にすまなっかたな! またこの埋め合わせはきっとするから・・・」

「はいはい! 当てにはしてませんから・・」


結局それ以後 彼から連絡もなく 当然、彼女と出会う事もなかった


「お〜い山本、この前の商談どうなった?」

「課長!大丈夫ですよ しっかり足固めはしていますので・・・」

「お〜頼もしいね! やっぱりこの営業部にお前がいないと駄目だな」

「おだてても駄目ですよ!」


なかなか落とせなかったA社の新工場建設の物件を俺が受注した

昔は談合で順番に受注していたが、今は厳しい法律のもと簡単には落とせない

ましてやギリギリの儲けの中での入札なんて経費を合わせれば赤字になりかねない

だから今は、人間関係を駆使していかに受注を得るかだ

付け届けなんて昔の話! いかに短い期間で社の重要人物にコネクションを取るかが最大のポイントだ!

俺はその点、人よりたけてる臭覚がある

でもこの才能・・・自分でも不思議に思う・・・・



つづく


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